2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質機能構造の効率的解析を目的とする動的光アフィニティー技術の開発
Project/Area Number |
18390036
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
友廣 岳則 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (70357581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 保丸 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (30111181)
水口 峰之 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30332662)
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Keywords | 光アフィニティーラベル / ジアジリン / 膜受容体 / 固相スクリーニング / リガンド結合解析 |
Research Abstract |
膜タンパク質の同定や結合部位解析に有効な光アフィニティーラベル法を利用して、その解析過程の簡便化を図ることを目的とする。昨年度まで脱着型光クロスリンカーと金属キレート固相を組み合わせ選択性に優れたサブピコモルレベルの精製システムを作製した。これによりリン酸化によるミオシンモーターの動的挙動に関連するタンパク質について新知見など学術的に高い成果が得られた。一方、極微量のラベルされた結合部位ペプチド解析は固相表面の非特異的吸着物質により難しく、更なるシステム構築が必要であった。ラベルペプチドのハンドリング操作による損失を極力抑えるべく、結合タンパク質の光ラベル化からラベルペプチド精製までを同一固相上で連続的に行うことが可能な新たな固相システムを構築した。ポリプロピレン表面にポリマーを立ち上げ、さらに非特異的吸着抑えるためにPEGリンカーを介して切断性ユニットを組み込んだ。この固相デバイスに光クロスリンカーを有するリガンド分子(光反応性核酸誘導体)を導入し、ヘキソキナーゼの光捕捉を行うことでシステムを評価した。捕捉したタンパク質を固相上でダイレクトに消化し、洗浄後、捕捉されたラベルペプチドを固相から切断した。その結果、質量分析では数個のフラグメントシグナルが得られた。この結果を受け、抗癌作用が報告されている上皮成長因子受容体に応用したが、固相リガンドとの結合活性が低く、部位を特定するまでに至らなかった。しかしながら、捕捉タンパク質消化産物の質量分析による解析では、他のアフィニティー精製法に比較して著しく高い純度で精製できることが判明し、結合タンパク質の同定法として極めて有能であることがわかった。
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Research Products
(5 results)