2007 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア調節性抗癌剤のケミカルゲノミクススクリーン
Project/Area Number |
18390040
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
水上 民夫 Nagahama Institute of Bio-Science and Technology, バイオサイエンス学部, 教授 (80367896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 慎 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 講師 (10367899)
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Keywords | 癌 / 蛋白質 / 薬剤反応性 / テロメア / 分子標的 |
Research Abstract |
我々は新規なテロメラーゼ阻害剤あるいはテロメラーゼ阻害に基づかないテロメア調節機構に作用する薬剤を発見する目的で、酵母宿主のフォワードケミカルゲノミクスの研究アプローチにより、"テロメア短縮誘導"を活性指標とした他に例のないユニークなスクリーニング法を考案し、微生物の生産する抗菌抗癌物質UCS1025AならびにChrolactomycin(TEY7)を活性物質として見出した(Chem.Biol.13,183-190(2006))。これら薬剤は、癌細胞内におけるテロメア短縮誘導活性ならびにテロメラーゼ機能を阻害する活性を有することが明らかとなったが、その詳細な作用機構ならびに直接的な標的分子は不明である。 本研究の目的は、これらの薬剤が直接的に結合する細胞内標的分子の同定を通じて薬剤の作用機序を分子レベルで解明し、さらに同定された標的分子のテロメア調節、細胞癌化における機能を解析することにより、抗癌剤の新しい分子標的としての可能性を検証することにある。本年度はUCS1025AおよびTEY7のビオチン標識プローブを利用し、それぞれに対する結合タンパク質を明らかにした。これらの標識タンパク質は、薬剤の直接的な作用点を含んでいるものと考えられ、ゲル内酵素消化と質量分析装置による解析を行い、レセプタータンパク質の同定を試みた。これら薬剤の標的分子の同定と作用機構の解明は、これまでの抗癌剤では成し得なかった、副作用が従来のものに比べて格段に少ない、癌細胞特異的に作用する新規抗癌剤の開発に結びつく新たな創薬アプローチを提供することが期待できる。
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