2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境中アレルゲンの一次構造並びに高次構造を認識する高感度エピトープ解析手法の開発
Project/Area Number |
18390043
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
手島 玲子 National Institute of Health Sciences, 代謝生化学部, 部長 (50132882)
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Keywords | アレルゲン / ソバ / ファージディスプレイ / エピトープ / ミモトープ / バイオインフォマティクス / アラニンスキャンイング / X線解析 |
Research Abstract |
(1)ファージディスプレイ法を用いる立体構造を含むエピトープを解析する手法の開発-ミモトープで同定したソバ主要アレルゲンである16-kDaタンパク質(BWp16)の、エピトープの候補領域のアミノ酸をアラニンに置換した変異体を作成し,一部の変異体でIgE抗体との結合活性の減少を確認した。 (2)野生型組換えアレルゲンタンパク質及びその変異体の大腸菌での作製---BWp16の構造解析を行うために,N末端部のアミノ酸を切断したΔN-rBWp16を大腸菌に発現させ,精製後,結晶を形成させてからX線による構造解析を行い,2Sアルブミンに特徴的なα-ヘリックス構造を有することが判明した。また,精製したrBWp16に対する単クローン抗体を用いて抗原抗体複合体の構造解析に着手した。 (3)アレルゲンのエピトープ付近に特徴的なアミノ酸配列の物理化学的因子の特徴の解明-バイオインフォマティクス手法による既知のアレルゲンに特徴的なアレルゲンユニーク断片(AUF)のインデックスを用いたアレルゲンエピトープ予測法に関して、タンパク質立体構造の揺らぎ(配列の動的構造)B因子,並びに抗体との結合部の確率を併用することで、アレルゲンエピトープ予測の精度の上昇が確認された。 (5)そば以外のアレルゲンの主要アレルゲンの解析-くるみ及びダイズの主要アレルゲン,2Sアルブミン及びGlymBd30kの単離を行い,性質を調べると共に,それらタンパク質に対する抗体を作成し,これらタンパク質のELISAによる測定系を開発した。
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