2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390044
|
Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
西川 喜代孝 国立国際医療センター(研究所), 臨床薬理研究部薬物代謝・動態研究室, 室長 (40218128)
|
Keywords | 薬学 / 感染症 / 糖鎖 / 衛生 / 蛋白質 |
Research Abstract |
A型インフルエンザウイルスのHAは標的細胞上に存在するシアル酸を受容体として認識、結合し、ウイルスの細胞内への侵入に中心的な役割を果たしている。本研究では、我々が独自に開発したマルチバレントペプチドライブラリー法を用いて、HA3量体に特異的かつ高親和性に結合し、ウイルス粒子の標的細胞への侵入を強力に阻害するペプチド性阻害剤を開発することを目的とする。 1,野生型HAならびにシアル酸結合部位に変異を有するHAの大量調製 HAのシアル酸結合サイトに特異的に結合するペプチドモチーフを決定するために、ライブラリーのスクリーニングは、野生型HAカラムならびにシアル酸結合サイトに変異を有するHA(L194A)カラムの2種を用いて行う。本年度は、バキュロウイルス発現系を用いて、C末端にHis-tagを有する野生型HAならびにL194Aを大量に調製し、L194Aでは赤血球凝集活性が完全に消失していることを確認した。これらHAを用い、アフィニティーカラムを作成した。 2,HAに対して最適化したマルチバレントペプチドライブラリーの作成 本研究では、HA3量体とシアル酸との結合にはクラスター効果が存在することに着目し、ペプチドライブラリー自体を多価にしたマルチバレントペプチドライブラリーを作成する。本年度は、末端のライブラリー部と核構造を結ぶスペーサー長が異なる一連のマルチバレントペプチドライブラリーを作成し、野生型HAに対する結合活性を比較し、最終的にHAに対して最適化したマルチバレントペプチドライブラリーの構造を決定した。 現在、得られたマルチバレントペプチドライブラリーを1次ライブラリーとして、1で得られた野生型HAならびにL194Aアフィニティーカラムを用いたスクリーニングを進めている。本検討により、HAのシアル酸結合部位への結合に中心的な役割を果たすと考えられるアミノ酸が同定されるものと考えられ、このアミノ酸をlocking Positionとして導入し、HAに対してさらに結合親和性に優れたた2次ライブラリーが作成できると期待される。
|
Research Products
(6 results)