2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え型機能性アルブミンの設計とDDSへの応用
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18390051
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小田切 優樹 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80120145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20231798)
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / 機能性アルブミン / 遺伝子組換え技術 |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子組換え技術を基に、高いリガンド結合能や血中滞留性などが付与された、安全性、有効性かつ経済性に優れた機能性アルブミンを設計し、ドラッグデリバリーシステム(DDS)へ応用することを目的とする。 1、高修飾SNOアルブミンの新規抗がん剤としての有用性の評価 アルブミンのNO結合部位としてはCys34しか存在しない。そこで、イミノチオランにより新規にチオール基を導入し、高修飾NOアルブミンを調製した。その結果、この高修飾NOアルブミンはin vitroで種々の癌由来細胞に対してアポトーシスを引き起こすこと、さらにin vitroにおいて、顕著な抗腫瘍効果を発揮したことから、新規抗がん剤としての有用性が認められた。 2.アルブミン融合技術を活用した次世代型チオレドキシンの有用性評価 チオレドキシン(Trx)は細胞内外のレドックス機構の調節を行う重要なタンパク質である。これまでTrxは虚血再灌流や間質性肺炎など多くの酸化ストレス疾患に対して有益な作用を示す一方で、消失半減期が非常に短いことが問題であった。そこで、Trxをアルブミンと融合させ、Trxの有益な生理作用を保持しつつ優れた血中滞留性を有する新規タンパク質の作製を試みた。その結果、アルブミンとの融合タンパク質は、Trx特有の還元活性を失うことなく、native Trxと比べ、優れた血中滞留性を示し、さらにエンドトキシンショックモデルに対して有意な延命効果を示すことが明らかとなった。
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