2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン輸送体の機能発現規定因子の同定とその制御機構による高血圧の新たな治療法
Project/Area Number |
18390063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
種本 雅之 東北大学, 病院, 助手 (40303945)
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Keywords | イオンチャネル / 腎臓 / 尿細管 / 高血圧 / 細胞内蛋白局在 / イオンホメオスターシス / 再吸収機構 / プロテオーム |
Research Abstract |
腎尿細管カリウムリサイクルは腎臓イオン排泄・再吸収機構の調節因子として、体液ホメオスターシスや血圧コントロールにおいて重要な機能を果たすことが判明してる。従来の研究で、その基底膜側経路を構成するカリウムチャネルとその発現を制御するシグナルの同定に成功しており、本研究ではこのシグナルを介したカリウムリサイクルの制御解明を更に進めた。 シグナルを含むチャネルのカルボキシル末端部アミノ酸配列に対して施行したyeast two hybrid法で同定した蛋白断片に基づき、チャネルカルボキシル末端部を認識する蛋白を同定することに成功し、同定した蛋白が一般にアンカー蛋白として機能する蛋白群に属する蛋白で、腎臓に発現する新たなスプライス変異体であることを解明した。各々の欠損変異体・点変異体を作成し、それらの相互作用を確認することにより、このアンカー蛋白とチャネルが、PDZ-binding motifシグナルを介した蛋白間相互作用をすることを解明し、更にこのアンカー蛋白に対する特異的抗体を作製することにより、このアンカー蛋白とチャネルが腎臓においてin vivoレベルで相互作用し、腎臓遠位尿細管において共発現することも解明した(投稿中)。この相互作用を制御する機構の解明により、プロテオミクスを介した腎尿細管におけるイオン排泄・再吸収制御の解明を進行中である。 また、高血圧疾患治療のに対する臨床面からのアプローチとして、二次性高血圧の主因の一つである原発性アルドステロン症の診断法に関しホルモン負荷試験の受容性に関し報告し(J Hypertens 25:480-481,2007)、他の主因である腎血管性高血圧の治療指標として狭窄部の最小径の有効性を明らかにし(投稿中)、高血圧治療における診断・治療における新たな提示を行った。
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Research Products
(6 results)