2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン輸送体の機能発現規定因子の同定とその制御機構による高血圧の新たな治療法
Project/Area Number |
18390063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
種本 雅之 Tohoku University, 病院, 講師 (40303945)
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Keywords | イオンチャネル / 腎臓 / 尿細管 / 高血圧 / 細胞内蛋白局在 / イオンホメオスターシス / 再吸収機構 / プロテオーム |
Research Abstract |
腎遠位尿細管K^+チャネルは、Na^+再吸収過程でK^+-recycling機構を担うことにより、生体の電解質ホメオスタシスを維持している。従来の研究で、K^+チャネルの同定とその機能局在を規定するモチーフの同定、更に、モチーフを介する局在制御因子であるアンカータンパクMAGI-1の同定に成功していた。また、昨年度までの研究で、チャネル・MAGI-1の相互作用が生体へのイオン負荷状態により調節され、この調節に細胞内リン酸化経路が関与していることも解明していた。 本研究では、生体内でリン酸化経路を担うキナーゼの同定を試みた。各種キナーゼのイオン負荷状態による発現量の変化を検討したが、WNKに属するキナーゼの発現量の僅かな変化を認めるのみであった。このことから、イオン負荷状態によるチャネル・MAGI-1の相互作用変化はキナーゼの発現量ではなく活性の調整を介し制御されることが推定された。また、チャネルの細胞表面発現の詳細な検討により、K^+-recycling機構がチャネル・MAGI-1の相互作用のみならず、細胞表面直下におけるチャネル輸送機構によっても制御されることも明らかとなった。 K^+-recycling機構不全が電解質制御異常により発症すると考えられる様々な疾患の原因であるという報告が、New England Journal of Medicine等に2009年に発表された。本研究の推進が高血圧症を含む電解質制御異常を原因とする疾患の治療に繋がる可能性を、臨床的にも裏付けた報告と考えられ、我々の研究結果と臨床症状の関連を現在解明中である。 また、尿細管Na^+再吸収が発症の過程を担う疾患の一つである二次性高血圧症の臨床的研究により、新たな診断・治療の指針への方向性も示し、臨床的側面からも電解質ホメオスタシス異常に起因する疾患へのアプローチを進展した。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] SLCO4C1 transporter eliminates uremic toxins preventing hypertension and renal inflammation.2009
Author(s)
Toyohara T, Suzuki T, Morimoto R, Akiyama Y, Souma T, Shiwaku OH, Takeuchi Y, Mishima E, Abe M, Tanemoto M, Masuda S, Kawano H, Maemura K, Nakayama M, Sato H, Mikkaichi T, Yamaguchi H. Fukui S, Fukumoto Y, Shimokawa H, Inui K, Terasaki T, Goto J, Ito S, Hishinuma T, Rubera I, Tauc M, Fujii-Kuriyama Y, Yabuuchi H, Moriyama Y, Soga T, Abe T.
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Journal Title
J Am Soc Nephrol. 20
Pages: 2546-55
Peer Reviewed
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