2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390066
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小西 真人 東京医科大学, 医学部, 教授 (20138746)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 謙造 名古屋大学, 医学部, 教授 (00292730)
中山 晋介 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30192230)
渡辺 賢 東京医科大学, 医学部, 講師 (60191798)
横山 倫子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (20398762)
|
Keywords | 細胞内マグネシウム / マグネシウム透過チャネル / マグネシウム輸送体 / システム解析 / 数理モデル |
Research Abstract |
細胞内遊離Mg濃度を蛍光Mg指示薬furaptraで測定し、細胞からのMg汲み出し機構の詳細を検討した。Mg耐性変異株では、野生株にくらべて細胞内遊離Mg濃度はより低く維持されており、細胞外高Mg濃度(51mM)条件下でも、細胞内Mg濃度の上昇は抑制されていた。細胞外Mg濃度を51mMから1mMへ低下させた時の細胞内遊離Mg濃度の低下はMg耐性株で有意に速く、Mg汲み出し活性が亢進していることを示した。このMg汲み出しは、細胞外Naに依存することより、Na/Mg交換輸送体がMg耐性変異株で高発現していることが強く示唆された。さらにNa/Mg交換輸送特性をMg耐性株を用いて検討した結果、輸送速度は25mM細胞外Naにより最大の50%活性化され、200μMイミプラミンによってほぼ完全に抑制されることがわかった。 心筋細胞を用いてNa/Mg交換輸送の機能特性を詳細に検討した。ラットの心室筋細胞にMgを負荷後、細胞外にNaを還流し、細胞からのMg汲み出し速度を蛍光Mg指示薬furaptraで測定し、解析した。Mg汲み出しは、細胞外Kを除去しても、あるいは細胞外K濃度を増加させても、ほとんど影響を受けなかった。さらに穿孔パッチクランプ法を用いて、ピペットから無K液で細胞内灌流して細胞内Kを枯渇させて条件下でも、汲み出し輸送速度は有意に変わらなかった。また同様に細胞内外のClを除去しても、汲み出し輸送速度は変わらなかった。これらのことより、Mgの汲み出し輸送は、Na/Mg交換輸送によるものであり、他のイオンは直接関与しないと考えられる。さらに、虚血状態でひきおこされる細胞内高エネルギー燐酸化合物の枯渇は、Mg汲み出し輸送を強く抑制されることを見出した。現在、このメカニズムについて、検討を行っている。
|
Research Products
(6 results)