2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390066
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小西 真人 Tokyo Medical University, 医学部, 教授 (20138746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 謙造 名古屋大学, 医学部, 教授 (00292730)
中山 晋介 名古屋大学, 医学部, 准教授 (30192230)
渡辺 賢 東京医科大学, 医学部, 講師 (60191798)
横山 倫子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (20398762)
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Keywords | 細胞内マグネシウム / マグネシウム透過チャネル / マグネシウム輸送体 / システム解析 / 数理モデル |
Research Abstract |
ラットの心臓から酵素(コラゲナーゼ、プロテアーゼ)処理により心室筋細胞を単離し、蛍光マグネシウム指示薬furatpraにより細胞質Mg^<2+>濃度([Mg^<2+>]_i)を見積もった。正常の代謝が保たれている細胞にMg^<2+>を負荷した後、細胞外Na^+を灌流すると[Mg^<2+>]_iの速やかな低下が認められ、[Mg^<2+>]_i低下の初期速度(initial△[Mg^<2+>]_i/△t)はMg^<2+>くみ出し輸送速度を反映していると考えられた。細胞をFCCP(1μM)またはKCN (5mM)で処理して細胞内ATPを枯渇させると、[Mg^<2+>]_iが2.5-3mMに上昇すると共に、硬直による細胞短縮が認められた。平均initial△[Mg^<2+>]_i/△tは、FCCP処理細胞では90%、KCN処理細胞では92%抑制された。細胞をKCNで短時間処理すると、細胞長のわずかな短縮に伴って平均initial△[Mg^<2+>]_i/△tは59%抑制された。細胞内ATP濃度が硬直がおきる程度まで低下することにより、Mg^<2+>輸送が抑制されることが示唆された。この条件下で見積もった細胞内Na^+濃度は平均5.0-10.5mMであり、細胞内Na^+によるNa^+依存性Mg^<2+>くみ出し輸送の抑制(Ki〜40mM)はわずかであると考えられた。またH^+イオノフォアであるnigericinで細胞内pHを正常化しても、initial△[Mg^<2+>]_i/△tの抑制は解除されなかった。ATPを含む細胞内リン酸化合物の濃度変化を記述する数理モデルを構築して、細胞内ATP濃度とMg^<2+>輸送との関係の解析を試みた。その結果、Mg^<2+>輸送が十分活性化されるには400μM以上の細胞内ATP濃度が必要であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)