2007 Fiscal Year Annual Research Report
遅発性筋痛をモデルとした筋機械痛覚過敏の末梢性機構の研究
Project/Area Number |
18390069
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水村 和枝 Nagoya University, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小崎 康子 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (20126882)
片野坂 公明 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (50335006)
本多 タカシ 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20165608)
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Keywords | 筋機械痛覚過敏 / ブラジキニン / COX2 / 神経成長因子 / 遅発性筋痛 / COX1 / 伸張性収縮 / 筋細径線維受容器 |
Research Abstract |
筋機械痛覚過敏の末梢性機構を明らかにするため、持続が数日の伸張性収縮負荷による筋性疼痛のラットモデル(遅発性筋痛、DOMS)を作成し、今年度は機械痛覚過敏に関わる要因としてNGFを中心に調べた。1.遅発性筋痛へのCOX1の関与はあってもごくわずかである。2.ブラジキニン単独の筋注では遅発性筋痛を再現できなかった。3.抗ラットNGF抗体は、運動後6時間後に投与しても、運動後2日目の疼痛閾値測定前に投与しても運動後の痛覚過敏をその後ずっとほぼ完全に抑制した。4.B2受容体拮抗薬は、運動後直後に生じるCOX2mRNA増大を抑制しなかったが、12時間後の増大は抑制した。また、NGFmRNAの12時間後の増大も抑制した。しかし、COX2阻害薬ではNGFmRNAの増大は抑制できなかった。これより、NGFはCOX2→プロスタグランジンの経路とは別な経路で生じてくることが示唆された。つまりNGFとは別に筋機械痛覚過敏に関与している物質があり、両者は共同的に働き、一方が無くなると痛覚過敏は生じないことが推測された。5.取り出し筋-神経標本を用いて、15本の筋細径線維受容器の機械刺激に対する反応に対するNGFの効果について2時間にわたり調べた。数本の線維では明らかな増強効果が見られたが、平均では有意な変化ではなかった。NGFによる感作には取り出し標本にはない循環中の細胞が必要であろうと推定された。6.ATPは0.1-100μMの範囲で筋細径線維受容器の機械反応を予想に反して抑制した。 昨年度の結果も併せて考えると、ブラジキニンとCOX2は遅発性筋痛のトリガーに、運動時に生じたブラジキニンによってB2受容体を介して増加したNGFは、その維持に関わっていることが明らかになった。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Novel Trends2007
Author(s)
Mizumura, K.
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Journal Title
Brain Science (Chapter ‘Muscular pain mechanisms: Brief review with special consideration of delayed-onset muscle soreness' in Section III. Pain), Springer
Pages: 203-232
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