2008 Fiscal Year Annual Research Report
個体発生の途上における細胞内イオン環境の変化を介する脳の性分化
Project/Area Number |
18390070
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
佐久間 康夫 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (70094307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90143239)
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
折笠 千登世 日本医科大学, 医学部, 助教 (20270671)
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (90312058)
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Keywords | ラットGnRHニューロン / 蛍光タンパク遺伝子 / GABA_A受容体 / サブユニット / ニューロステロイド / メラトニン / MT1受容体 / 性差 |
Research Abstract |
蛍光タンパク遣伝子の導入により可視化したラットGnRHニューロンの初代培養細胞あるいは脳スライスを材料として、穿孔パッチクランプ法によるGABA_A受容体電流測定、イオンイメージング法による細胞内Ca^<2+>イオン濃度の変動、培地へのGnRH定量を行った。GABA、アロプレグナノロンやテトラヒドロデオキシコルチコステロンがGABA_A受容体を活性化し、GnRHニューロンの脱分極、「Ca<2+>」iの増加とGnRH分泌を起す。GABA作用はNKCC1阻害剤であるBumetanideにより遮断されるので、GnRHニューロンではNKCC1の活性が高く、KCC2の作用が弱いため細胞クロライドイオン濃度[C1^-]が高く、GABA_A受容体の活性化によりC1^-の流出による脱分極が起こり、これにより電位依存性Ca^<2+>チャネルが活性化してGnRH分泌に至ることを見いだした。GABA_A受容体は5量体で通常2つのα,2つのβ,1つのγサブユニットから構成されてアニオンチャネルを形成するが、GnRHニューロンではα2,β3,およびγ1またはγ2サブユニットの発現演RT-PCRで確認された。ニューロステロイドによるGABA_A電流の増強が観察されたのはγ2を発現するGnRHニューロンであった。GABA_A受容体活性化の修飾を上述のニューロアクティブステロイドやメラトニンで観察した。メラトニン受容体の活性化はcAMPの合成を抑制し、PKAによるGABA_A受容体βサブユニツトのリン醗化を妨げるか、あるいはGABA_A受容体とMT1受容体の分子間相互作用により、GABA_A電流が修飾されると現時点では考えている。今後ソマトスタチンやアルコールによる修飾について検討を進める。
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Research Products
(5 results)