2007 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いたムスカリン性アセチルコリン受容体の機能解析
Project/Area Number |
18390073
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
藤井 健志 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 薬学部, 准教授 (80255380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高鳥 悠記 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (90411090)
山田 静雄 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80106434)
竹内 正吉 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00171611)
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Keywords | 薬理学 / 薬学 / 神経科学 / 脳・神経 / 生体分子 / アセチルコリン / 受容体 |
Research Abstract |
リンパ球に発現するムスカリン性受容体(mAChR)の機能解析:M_3mAChRノックアウトマウス(KO)を用いて、リンパ球機i能に及ぼすアセチルコリン(ACh)の役割を検討した。Wild-typeでは,コンカナバリンA(ConA)によりACh合成酵素コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)、インターロイキン-2(IL-2)およびc-fos遺伝子発現が増強した。M_3mAChR-KOマウスでは,ConAによるIL-2およびc-fos遺伝子発現が減弱した。以上より、AChによるリンパ球機能調節へのM_3mAChRの関与が示唆された。 膀胱頚部括約筋機能におけるmAChRサブタイプの役割:排尿時における膀胱括約筋の弛緩機構におけるmAChRの関与を検討した。Wild-type標本においてノルアドレナリンによる収縮張力をカルバコール(CCh)は濃度依存性に弛緩させた。この弛緩反応はアトロピンにより抑制された。CChによる弛緩反応は、Wild-type標本と比較してM2-KO標本では同程度であったが、M_3-KO標本において減少した。CChによる弛緩反応はインドメタシンにより著しく抑制された。PGE_2は濃度依存性の弛緩を生じた。以上より、弛緩にはM3血ChR関与しており,弛緩へのPGE2の関与が示唆された。 過活動膀胱治療薬の膀胱血ChR結合特性の解析:mAChR-KOマウスを用いて、膀胱及び唾液腺におけるmAChRに対する排尿障害治療薬の受容体結合動態を検討した。M_2-KOマウスにおける受容体結合実験において、オキシブチニン(Oxy)及びソリフェナシン(Sol)は、膀胱と唾液腺のM_3mAChRに対し同等の結合親和性を示した。Oxyは、M_2-KOマウスへの経口投与により、膀胱より唾液腺のM_3血ChRに高い結合親和性を示した。M_2-KOマウスへのSolの経口投与は、Oxyとは逆に、唾液腺より膀胱のM_3mAChRに高い結合親和性を示した。以上より、SolはOxyより副作用(口内乾燥)の少ない薬物であることが実証された。
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