2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞カルシウム流入経路関連遺伝子の網羅的解析と創薬ターゲット遺伝子の探索
Project/Area Number |
18390074
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
渡邉 裕司 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (50262803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30293632)
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80314029)
最上 秀夫 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (90311604)
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Keywords | 循環 / 血管内皮細胞 / カルシウム / ゲノム / 創薬 |
Research Abstract |
平成20年度研究では、前年度研究で作製したFunctional DNAチップを用いて、容量性Ca^<2+>流入応答を保持する初代培養細胞と、容量性Ca^<2+>流入応答を失活した長期継代培養細胞で変化する遺伝子の発現解析を行った。細胞機能変化である細胞質Ca^<2+>動態解析は、蛍光色素法を用いイオン特異性蛍光プローブであるfura-2/AMを細胞に負荷し、励起波長340nmと380nm、蛍光波長510nmでの蛍光強度比の変化を画像解析装置により測定した。また容量性Ca^<2+>流入を調節する外的要因としてpHの役割を検討し、細胞外アシドーシスが容量性Ca^<2+>流入を強く抑制し、血管内皮機能である一酸化窒素(NO)やPGI2産生を阻害する事を深く見いだした。同時に、細胞膜に存在する容量性Ca^<2+>流入に深く関わる蛋白としてOrail、Ca^<2+>貯蔵部位である小胞体に存在するセンサー蛋白としてStim 1が注目されており、得られた遺伝子情報からCa^<2+>流入経路関連遺伝子としてOrailとStim 1遺伝子を探索した。さらに容量性Ca^<2+>流入応答を保持する初代培養細胞と、容量性Ca^<2+>流入応答を失活した長期継代培養細胞で変化するOrailとStim 1の発現解析を行い、OrailとStim 1の会合変化などを免疫染色にて検討している。NOやプロスタサイクリンの産生など血圧調節や抗血栓作用に関わる内皮機能は、容量性Ca^<2+>流入により調節を受けており、本研究の成果は、血管内皮細胞のCa^<2+>調節異常が関与する動脈硬化、高血圧などの血管病態の発症メカニズムの解明にも大きく寄与するものと思われる。
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