2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390092
|
Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
古川 貴久 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究部長 (50260609)
|
Keywords | 網膜 / 発生 / 視細胞 / 細胞運命 / 転写因子 / リプレッサー / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
我々は視細胞の運命決定に必須の役割を持つOtx2の解析を行っている。Otx2とCrxはともに分化しつつある視細胞に発現しており共通のDNAターゲット配列に結合しうるが、機能的オーバーラップはないのかという点を検定するために、我々はOtx2+/-;Crx-/-ダブルミュータントを作成してOtx2とCrxの機能的重複についての機能解析を行った。ダブルミュータントではロドプシンの発現をはじめとして、視細胞遺伝子群の発現のさらなる低下や視細胞の発生の遅延が認められた(論文投稿中)。Otx2遺伝子は生後、Crxとは異なり双極細胞に高く発現する。Otx2の双極細胞の発生における機能を検定するために、双極細胞でCreリコンビネースを発現するL7-Creトランスジェニックマウスのラインを用いて、双極細胞特異的Otx2変異マウスを作成し解析したところ、双極細胞の分化マーカーであるPKCの発現が認められなかった。つまり、Otx2は双極細胞の最終分化に必要であることが明らかとなった(論文投稿中)。また、我々は網膜前駆細胞でCreリコンビネースを発現するDkk3-Creトランスジェニックマウスのラインを作成した。このラインを用いてOtx2遺伝子を網膜前駆細胞でノックアウトしたコンディショナル変異マウスを作成し、その表現系を解析したところ、Otx2は視細胞の運命決定以外に、水平ニューロンの最終分化にも関わっていることを見出した(論文投稿中)。Otx2の発現制御機構の解析はトランスジェニックマウスを用いた解析で500bpの領域に特定し、現在最終確認と結合因子の単離を試みている。新たな視細胞特異的リプレッサーmr-sに関しては、ノックアウトマウスの作成に成功し現在解析を行っている。錐体に発現する転写因子raxのコンディショナルノックアウトマウスも作成に成功したところで、今後解析を行っていく。
|