2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横溝 岳彦 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (60302840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 利明 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (60361466)
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Keywords | 生理活性脂質 / 受容体 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
1)ロイコトリエンB4受容体の機能解析:ロイコトリエンB4(LTB4)第一受容体BLT1,第二受容体BLT2を欠損するマウスを用いて炎症反応における役割の解明を試みた。デキストラン硫酸投与による大腸炎モデルにおいてBLT2欠損マウスは亢進した炎症反応を示し、IFN-γ,IL-6の発現の亢進を認めた。一方で、BLT1欠損マウスは野性型マウスと同様の表現型を示した。以上からBLT2は炎症反応に抑制的に働いていることが示唆された。 2)ロイコトリエンB4第二受容体の生体内リガンドの同定:ラットの様々な臓器より脂質抽出を行い、BLT2過剰発現細胞に添加してBLT2の活性化能を検討した。小腸から抽出したアセトン可溶性の脂質画分をHPLCにて展開したところ、LTB4とは異なるフラクションにBLT2活性化能を検出し、これを精製・質量分析系にて構造を決定したところ、12-HHT(12(S)-Hydroxyheptadeca-5Z,8E,10E-trienoic acid)であることがわかった。合成12-HHTを用いて詳細な解析を行ったところ、12-HHTはLTB4よりも低濃度でBLT2に結合し、細胞内カルシウム上昇を引き起こすことが明らかとなった。これまで12-HHTはトロンボキセンA2産生に伴うバイプロダクトであり、生物活性は無いと考えられてきたが、強力なBLT2活性化能を有する新規生理活性脂質であると考えられた。
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Research Products
(13 results)