2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖毒性の不可逆性を生み出す新たな分子治療標的の解明
Project/Area Number |
18390100
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小島 秀人 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00225434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
木村 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00110560)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子治療 / インスリン / 合併症 / 糖毒性 |
Research Abstract |
研究代表者らは高血糖下に骨髄内にプロインスリンならびにTNFαを発現する異常細胞(Proins/TNFα細胞)が出現し、糖尿病の病態の進行および合併症に関与する可能性について研究してきた。本研究はこの異常細胞がどのようなメカニズムにより出現し、またどのようにして糖尿病の不可逆性を生み出すかを明らかにする。 本年度はC57BL/6系の3種類の異なった糖尿病モデルマウス(STZにより作成したインスリン欠乏型モデルマウス、レプチン受容体を欠如したdb/dbマウス、食事性2型糖尿病モデルである高脂肪食マウス)を用いて検討し、以下の結果を得た。 1)糖尿病マウスより骨髄細胞を取り出し、骨髄細胞をcell sorterを用いて分画し、Proins/TNFα細胞は未分化幹細胞分画(KSL細胞)には存在せず、CD11bならびにCD11c陽性の分化した白血球様分画に存在することが明らかとなった。 2)GFPを発現するマウスの骨髄を用いて骨髄移植モデルを作成し、異常骨髄細胞から分化したと考えられるProins/TNFα陽性血管内皮細胞が臓器内毛細血管に観察された。 3)異常骨髄細胞は肝臓において肝実質細胞と細胞融合し、Proins/TNFα陽性肝細胞が観察された。これについては論文に発表した(研究発表参照)。 4)異常骨髄細胞は脂肪組織にも出現しており、Proins/TNFα陽性脂肪細胞へと直接分化するかあるいは既存の脂肪細胞と細胞融合しており、現在詳細について検討中である。 なお、次年度予定である薬物療法を行うための動物の準備ならびに遺伝子治療ベクターの作成を行い、研究は順調に進行している。
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Research Products
(2 results)