2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖毒性の不可逆性を生み出す新たな分子治療標的の解明
Project/Area Number |
18390100
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小島 秀人 Shiga University of Medical Science, 医学部, 准教授 (00225434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤宮 峯子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (10199359)
木村 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00110560)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子治療 / インスリン / 合併症 / 糖毒性 |
Research Abstract |
【研究目的】糖尿病を完治させる方法は未だない。我々は糖尿病とその合併症が治癒しない原因として,体内の様々臓器細胞と細胞融合し,その細胞内にTNFαなどの有害な遺伝子を発現させる骨髄由来の異常細胞を見いだした。この細胞に治療を加えることにより糖尿病ならびに合併症を治癒させることができるか否かを検討した。 【研究実施計画】(1)高脂肪食,あるいはストレプトゾトシン(STZ)により発症した糖尿病マウスに対し,薬物療法として慢性骨髄性白血病の分子標的薬であり,発現異常を有するチロシンキナーゼに対し抑制効果をもつimatinibを投与し,糖代謝異常ならびに糖尿病性神経障害に対する治療効果を検討する。(2)合併症臓器丙あ翼常細胞に対し,遺伝子治療によリデポトーシスをを誘導するための遺伝子治療ベクターを開発し,糖尿病性神経障害ならびに,糖代謝異常に対する治療効果を検討する。 【研究成果(内容,意義,重要性)】Imatinibは骨髄由来の異常細胞と細胞融合することにより異常となった末梢神経細胞を消失させ,神経障害を完全に治療させた。このことは,神経障害の発症にimatinibが作用するチロトンキナーゼが関していることを示しており,その抑制により一旦発症した合併症を治癒へと導くことが可能であることを意味する。一方,遺伝子治療ベクターの開発では,M13ファージ&用いて神継細胞標的ベクターの開発を試みた。バイオパンニング用いて神経細胞特異的に結合できる配列を取り出すことに成功し,この配列を用いて脊髄後根神経節細胞を標的とするの遺伝子治療ベクターの作成が可能であることが明らかとなった。ベクター作製の完成までには今しばらくの努力が必要であるが,これらの結果は異常骨髄細胞ならびに病的神経細胞を標的とするの遺伝子治療を計画することが可能であることを意味しており,現在開発を進めている。
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