2007 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞の腫瘍原性における転写補助因子UTF1の役割
Project/Area Number |
18390106
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
奥田 晶彦 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (60201993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 幸之介 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10270901)
野村 淳 埼玉医科大学, 医学部, 研究員 (70406528)
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Keywords | ES細胞 / 多能性 / 腫瘍原性 / 細胞分化 / 細胞増殖 / 奇形腫 / ジーンタゲティング / UTF1 |
Research Abstract |
UTF1遺伝子は、私たちが1998年にクローン化したES細胞特異的に発現するクロマチンタンパク質をコードする遺伝子である。また、私たちの研究、及び他のグループの研究から、UTF1タンパク質は、ES細胞の活発な細胞増殖、腫瘍原性、及び細胞分化に関わるタンパク質であることが示唆されていた。そこで、UTF1タンパク質の機能を異なる角度から検証することで、今までに得られている予備的なデータの信?性を検討することにした。具体的には、UTF1ホモ欠失ES細胞を樹立し、その細胞における、ES細胞が持つ諸々の生物学的な性質を野生型のES細胞と比べることで、UTF1タンパク質のES細胞における機能を明らかにすることにした。平成18年度までに、UTF1ヘテロ欠失ES細胞は得ていたので、それを出発材料として、ホモ欠失ES細胞の樹立を試みた。Puromycin耐性遺伝子を持つターゲティングベクターをエレクトロポーレーション法に導入することで得た320個のPuromycin耐性ES細胞コロニーの中から、期待通り、ターゲティングベクターが相同組換えを起こしたクローンが2個得られた。そして、その細胞を用いて解析を行ったところ、UTF1遺伝子が無くても、ES細胞の増殖、腫瘍形成、及び分化能において、なんら異常を示さないことが明らかになった。従って、これらの結果は、UTF1そのものには、細胞増殖促進能などの機能を持っているが、同様な機能を持っているUTF1とは異なるタンパク質が存在する為に、UTFI遺伝子のノックアウトでは、顕著な効果が認められないのであろうということが示唆された。
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Research Products
(5 results)