2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390113
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中山 淳 Shinshu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (10221459)
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Keywords | 神経膠腫 / コンドロイチン硫酸 / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
本研究の目的は神経膠腫細胞の増殖・浸潤におけるコンドロイチン硫酸E(CS-E)の役割を明らかにすることである。平成18年度の研究成果により、神経膠腫においてCS-Eの生合成に関わる硫酸転移酵素であるN-アセチルガラクトサミン4硫酸-6硫酸転移酵素(GalNAc4S-6ST)が予後不良因子となり得ることが示された。平成19年度はGalNAc4S-6STの反応産物であるCS-Eが実際にヒト神経膠腫組織で検出されるか否かを生化学的手法により検証した。新鮮凍結保存された神経膠腫組織(びまん性星細胞腫3例、膠芽腫3例)を対象にActinaseE処理した後、Chondroitinase ABC及びにChondroitinase AC-IIを用いて二糖に分解し、高速液体クロマトグラフィーにてCS-Eを含む各種コンドロイチン硫酸を定量解析した。その結果、CS-Eは6症例全てに検出され、その発現量は0.01〜0.22nmol/mg(0.087±0.078;mean±SD)であった。また、CS-A、CS-C、CS-Dも全ての症例で検出され、その発現量はそれぞれ1.755±1.949nmol/mg、0.137±0.093nmol/mg、0.057±0.070nmol/mgであった。CSは6症例中5例に検出され、その発現量は0.128±0.189nmol/mgであった。以上の結果より、CS-Eならびに各種CSは神経膠腫で産生されていることが明らかになった。
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