2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト心筋形成物質(因子)の同定-ヒト心筋の再生誘導-
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18390116
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
梅澤 明弘 National Research Institute for Child Health and Development, 生殖・細胞医療研究部, 部長 (70213486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 順一 国立成育医療センター, 名誉総長 (90051614)
牧野 初音 国立成育医療センター(研究所), 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (90392498)
崔 昌浩 国立成育医療センター(研究所), 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (80392497)
阿久津 英憲 国立成育医療センター(研究所), 生殖・細胞医療研究部, 室長 (50347225)
那須 道世 国立成育医療センター(研究所), 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (80014116)
黒田 雅彦 東京医科大学, 病理学研究室, 准教授 (80251304)
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Keywords | 移植・再生医療 / 循環器・高血圧 / 液性因子 / バイオインフォマティックス |
Research Abstract |
心不全・心筋梗塞の新治療法として再生治療が注目されている。現在、骨格筋芽細胞、骨髄細胞、内皮前駆細胞による細胞移植が臨床試験中であるが、臨床的に十分な数の心筋細胞と血管の再生法は未確立である。UBET細胞がES細胞やP19CL6細胞株を高率に心筋細胞に分化させる分泌因子を産生している事を発見、その蛋白質の一つを同定した。本研究では骨髄間葉系細胞、心筋幹細胞を心筋細胞に分化誘導する因子と、血管新生を促進する因子を単離精製し、非侵襲的な心血管分化誘導療法の確立を目的とした。引続きヒト間葉系幹細胞の培養・心筋への分化誘導法の確立及びin vivoにおける心筋分化誘導の検討を行った。培養方法は完全ヒト型培養法の確立を目指すと共に、未分化状態での維持法並びに分化誘導培養法の標準化を行った。高い心筋分化効率を有す間葉系幹細胞株にのみ強発現する遺伝子をMicroArray法により同定した。今年度は特に、成体内の様々な臓器由来の間葉系幹細胞を単離し、限界稀釈法によりサブクローニング後、得た各種間葉系幹細胞に細胞寿命の延長に関わる遺伝子を導入、高発現させ、伴う細胞の増殖能を検討した。ヒト間葉系細胞を、マウス胎児初代心筋培養細胞と共培養すると、自己拍動し心筋特有の活動電位を有する心筋細胞に分化する。再生心筋細胞の細胞源の一つとして骨髄は有名であるが、骨髄に比し本研究で重要な細胞ソースとして考える子宮内膜・月経血は、若年者から得られ、大量の細胞を得る利点で、心機能を改善できるだけの十分な細胞量を確保できた。心筋に分化が方向付けされたヒト間葉系幹細胞が、生体内で生着し、不全心のポンプ機能改善に寄与する事をin vivo系で確認した。我々はタンパク分解酵素なしで細胞を培養皿から剥離し、移植できる技術を開発しており、この方法により細胞は本来培養中に出来上がった細胞接着因子を保持したまま移植可能となる。
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