2006 Fiscal Year Annual Research Report
がん関連遺伝子のエピジェネティックサイレンシングにおけるMBD蛋白の機能解析
Project/Area Number |
18390117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福重 真一 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90192723)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 転写抑制 / メチルCpG結合蛋白 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
がん関連遺伝子のエピジェネティックな転写制御には、プロモーター領域に存在するCpG配列の高度メチル化とそれに特異的に結合するメチルCpG結合(MBD)蛋白を介したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)複合体によるヒストンの脱アセチル化、ヒストンメチル基転移酵素によるヒストンのメチル化が大きく関与する。本研究では、脱メチル化剤、HDAC阻害剤とMBD蛋白のノックダウンを併用した時に見られるMLH1遺伝子の転写レベルでの変化の分子的機序をDNAメチル化およびヒストン修飾における変化の観点から解明することを目的とする。 本年度は、これらの解析を容易にするため、テトラサイクリン(Tet)でMBD2、MBD4のノックダウンを誘導することができるステーブル細胞株の作製をおこなった。まず、LNCaP(前立腺癌細胞株)、DLD1(大腸癌細胞株)、HEK293T(ヒト胎児腎細胞株)を用い、Tetリプレッサーを恒常的に発現させる細胞株を作製した。次に、LNCaP細胞を用いて、H1プロモーターの下流にTetオペレーターを含むMBD2あるいはMBD4のRNA干渉コンストラクトを導入し、テトラサイクリン投与によってMBD2、MBD4のノックダウンが可能な細胞株を作製した。 また、MBD2a、MBD2b、MBD4の結合するゲノムDNA領域をChIP on chip解析により調べるため、MBD2a、MBD2b、MBD4にFLAGタグを付けた融合遺伝子を恒常的に発現する細胞株の作製を試みた。その結果、LNCaP、DLD1細胞株を用い、MBD2a、MBD2bを発現する細胞株を得ることができた。一方、MBD4に関しては2回トランスフェクションをおこなったが、ステーブル細胞株のコロニーを得ることができなかった。MBD4には、アポトーシスとの関連が報告されていることから過剰発現によりアポトーシスが誘導された可能性もあり、現在、検討中である。
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