2007 Fiscal Year Annual Research Report
がん関連遺伝子のエピジェネティックサイレンシングにおけるMBD蛋白の機能解析
Project/Area Number |
18390117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福重 真一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90192723)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 転写抑制 / メチルCpG結合蛋白 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
がん関連遺伝子のエピジェネティックな転写制御には、プロモーター領域に存在するCpG配列の高度メチル化とそれに特異的に結合するメチルCpG結合ドメイン(MBD)蛋白を介したヒストン修飾の変化が大きく関与する。本研究ではMBD蛋白による転写制御メカニズムの解明を目指す。本年度は1)MBDを利用しゲノム上の高度メチル化CpG配列に転写活性化ドメインをリクルートすることにより転写抑制されたがん関連遺伝子の再活性化が可能かどうか、2)これを利用しMBD蛋白を介して転写抑制されたがん関連遺伝子を網羅的に探索することが可能かどうかについて解析した。 まず、プロモーター領域の高度メチル化によりDNA修復遺伝子MLH1の転写抑制が見られるヒト胎児腎細胞株HEK293Tに対し、MBDにNFκBの転写活性化ドメインを繋いだDNAコンストラクト(NFκB-AD-MBD)を導入したところ、MLH1の転写再活性化が見られた。この反応は、MBD依存的であり、MBDを欠くDNAコンストラクトでは転写再活性化はまったく観察されなかった。また、この時、プロモーター領域におけるDNAメチル化に変化はなく、DNAメチル化が存在しても転写再活性化が可能であることが明らかとなった。 NFκB-AD-MBDによるがん関連遺伝子の転写再活性化は、これまで解析した4つの細胞株、計10遺伝子ですべて観察されることから一般的な現象と考えられる。さらに、NFκB-AD-MBDを導入したHEK293T細胞株を用いたマイクロアレイ解析によりCDH1など多くのがん関連遺伝子に転写レベルの上昇が見られた。したがって、本方法によりMBD蛋白を介しエピジェネティックな転写制御を受けるがん関連遺伝子を網羅的に検出することが可能と考えられる。
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