2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390121
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Keywords | 樹状細胞 / マクロファージ / レクチン / サブセット / 成熟 / 生体内分布 / 免疫応答制御 |
Research Abstract |
これまでのSIGNR1に関する研究を発展させる観点から、そのホモログであるSIGNR3に特異的な単クローン抗体を作製して、発現細胞の生体内分布ならびにその同定を行った。その結果、現在までに以下の点が明らかになった。先ず、組織のライゼートを用いたWestern blottingにより、SIGNR3が皮膚やリンパ節、胸腺に発現していることを確認した。次に皮膚の組織染色およびflowcytometryによりSIGNR3陽性細胞は真皮に分布するCD45とCD11b陽性であることから骨髄に由来するミエロイド系細胞であり、さらに組織染色からCD11c+樹状細胞およびCD11c-マクロファージの一部であることが明らかとなった。また、体表リンパ節においては、濾胞間、B細胞領域とT細胞領域の境界、髄質に多く分布しており、HEV周辺にもSIGNR3陽性細胞が少数ではあるが存在していた。そこで、血液中におけるSIGNR3発現細胞のflowcytometryによって同定を試みたところ、Ly6Cint-lowの表現型を示すCD115陽性の比較的成熟したmonocyteであることが明らかとなった。この結果は、Western blottingによっても確認された。また、in vitro培養下で、M-CSFを添加するとマクロファージに、IL-4とGM-CSF存在下では樹状細胞へと分化することも示された。 一方、SIGNR1,3と同様に糖鎖結合部位にEPNモチーフを有するDCIR1は樹状細胞に限らず、B細胞、穎粒球、単球、マクロファージなど多様な細胞に発現されていることがWestern blottingおよびflowcytometryによって確認されたが、興味深いことに定常状態では多くが細胞質内に存在するにもかかわらず、炎症応答によって誘導される好中球においては細胞表面における発現が増強されることが示された。
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