2006 Fiscal Year Annual Research Report
老齢時におけるCD4T細胞亜集団の機能低下状態を改善する新規抗体の解析
Project/Area Number |
18390127
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
清水 淳 国立長寿医療センター, (研究所)・老化機構研究部, 室長 (60291134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 朋尚 国立長寿医療センター, (研究所)・老化機構研究部, 流動研究員 (50419149)
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Keywords | 老化 / 免疫 / T細胞 |
Research Abstract |
老齢マウスをモデルとして用い、免疫機構の中心的役割を担う「CD4T細胞」に着目し、「老化とCD4T細胞機能」について解析を行ってきた。その過程で、老齢時にはCD4T細胞の機能が著しく低下していること、しかし全てのCD4T細胞が機能低下状態にあるのではなく、一部CD4T細胞は正常な機能を維持していること、また老化に伴い免疫抑制機能を有すCD4T細胞亜集団が出現してくること等を明らかにし、報告してきた。 老齢時CD4T細胞の中で、最大の亜集団(CD^<4+>CD25^-R123^<lo>CD103^-T細胞)における低応答性状態の改善の可能性を検討した。CD4T細胞の活性化を誘導するためには、抗原提示細胞が必要である。最も抗原提示能の強いことが知られている樹状細胞(DC)を抗原提示細胞として用いた場合でも、この亜集団が低応答性を呈すか検討した。その結果、若齢・老齢マウス何れから調製したDCを用いても、CD^<4+>CD25^-R123^<lo>CD103^-T細胞の活性化を誘導することは出来なかった。またDCの成熟段階が異なるDCを用いた場合も、低応答性状態の改善は認められなかった。更に、申請者らが樹立・報告してきた新規抗体(59.32抗体)について検討した。この抗体は、正常CD4T細胞の活性化誘導の際、共添加することによりCD4T細胞の活性化が著しく増強されることを確認している。そこで59.32抗体が、CD^<4+>CD25^-R123^<lo>CD103^-T細胞の活性化誘導にも何らかの効果を呈さないか検討した。様々な培養条件を試みたが、現在のところ59.32抗体によるCD^<4+>CD25^-R123^<lo>CD103^-T細胞の活性化増強効果を確認するには至っていない。 CD4T細胞亜集団の一つ、Treg細胞は一般的に不応答性を呈す。この不応答性を改善する抗体を樹立しており、この抗体がCD^<4+>CD25^-R123^<lo>CD103^-T細胞の低応答性を改善するという結果を得ている。現在、その詳細について解析を進めている。
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Research Products
(3 results)