2008 Fiscal Year Annual Research Report
老齢時におけるCD4T細胞亜集団の機能低下状態を改善する新規抗体の解析
Project/Area Number |
18390127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 淳 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (60291134)
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Keywords | 老化 / 免疫 / T細胞 |
Research Abstract |
老齢B6マウス(6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月齢)をモデルとして用いた解析から、CD4T細胞集団において老化に伴いCD4(+)CD25(-)R123(lo)CD103(-)T細胞亜集団の割合が増加し、しかもこの亜集団はT細胞活性化誘導に対し著しい低応答性を呈すことを示してきた。今回この亜集団の低応答性を正常な高応答性へと回復させ得る培養条件(抗原提示細胞の種類・数、培養系へ添加する抗体など)を検討したが、検討した限りの条件において応答性の著しい回復は認められなかった。しかしながら、抗CD3抗体・抗CD28抗体をビーズに結合させ、これを上記低応答性T細胞亜集団の刺激培養に用いたところ、正常CD4T細胞と同等の高応答性が誘導された。T細胞の刺激培養時に抗原提示細胞を用いた場合、抗原提示細胞は一時的にT細胞に刺激を伝達する。それに対し、抗CD3抗体・抗CD28抗体ビーズは培養期間を通じてT細胞に持続的に刺激を伝達していると考えられ、上記低応答性亜集団の活性化には通常より長い刺激期間が必要であると考えられる。また上記低応答性は、細胞活性化シグナル伝達効率における障害の存在(伝達効率の低下)をも示唆している。更に、このような低応答性細胞亜集団の出現に抗原刺激の存在が必要か否か、トランスジェニックマウス(DO11.10 RAG KOマウス)を用い検討したが、抗原に曝露されることがなくとも上記低応答性亜集団の出現が認められた。また酸化ストレスの持続的存在の関与についても検討したが、ストレス存在下において上記亜集団の出現増加・増強は認められなかった。
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Research Products
(3 results)