2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックカを用いたハマダラカ-マラリア原虫の寄生適応性の解明
Project/Area Number |
18390130
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
吉田 栄人 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (10296121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 博明 独)農業生物資源研究所, 農業資源研究所, グループチーム長 (40343991)
上妻 由章 茨城大学, 農学部, 准教授 (10284556)
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Keywords | ハマダラカ / マラリア / トランスジェニック / 唾液腺 / スポロゾイト |
Research Abstract |
蚊は吸血する際,末梢血管を探り当てるために幾度となくプロービングとよばれる刺入出行動を繰り返す。同時に唾液を分泌し,この唾液中に含まれる血管拡張因子で血管の感知を容易にし,また血液凝固阻害因子で血液が固まることなく吸血できるようにしていると考えられている。実際,ハマダラカ唾液腺のホモジネートにはこれらの物質が含まれていることが示されているが,個々の分子についてはほとんど解明されていない。我々はマラリア媒介蚊であるハマダラカの唾液腺とマラリア原虫との関係を調べる目的で,ハマダラカの唾液腺タンパクの解析を行った。その中でハマダラカのメスの唾液腺に特異的に発現している新規タンパ Anopheles Anti-Platelet Aggregation Protein(AAPP)を発見した。AAPPは唾液腺に豊富に発現していることから,大腸菌発現系を用いて組換えAAPPタンパクを調製し,血小板機能,血液凝固に対する作用を検討した。AAPPは血液凝固に対して作用を示さなかったが,コラーゲン刺激血小板凝集を濃度依存的に強度に阻害した。一方,その他の血小板凝集のアゴニストであるADP,エピネフリン,U-46619,A23187刺激に対しては影響をおよぼさなかったことから,コラーゲン刺激に特異的な阻害作用を有していることが明らかとなった。
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