2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田辺 和裄 Osaka University, 微生物病研究所, 特任教授 (40047410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 哲男 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50208451)
澤井 裕美 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (60377124)
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Keywords | マラリア / 抗原 / 遺伝子 / 感染症 / 進化 / 三日熱マラリア原虫 |
Research Abstract |
1.世界各地のP.falciparum集団におけるメロゾイト表面タンパク質-1遺伝子msp1の多重感染度を、PCRタイピング法を用いて比較した。その結果、msp15'ハプロタイプの多重感染度は、伝播度の高いアフリカでは予想通り高かったが、メラネシアでは伝播度と多重感染度に明瞭な相関は認められなかった。株特異的マラリア感染防御免疫の獲得には、マラリア伝播の強度、蚊体内の組換え頻度、さらに地域に分布する原虫の遺伝子型の数と多重感染度が関与することが示唆された。 2.msp1に働く正の選択を三日熱マラリア原虫(P.vivax)及び近縁サルマラリア原虫9種を対象に進化集団遺伝学的に解析した。その結果、P.vivaxを含む数種に共通(=種分岐前)の枝において正の選択が働いたこと1また、P.vivaxを含む数種では種を超えたアミノ酸多型の共有が存在することを見いだした。一方、種内多型を調べた結果、種によって正の選択の働く領域とその強度が異なっていた。以上から、msp1は共通祖先で正の自然選択により生じた多型を保持しつつ、宿主に応じて種ごとに独自の進化を遂げたことが示唆された。 3.マラリア原虫の宿主域は広い(哺乳類、鳥類、爬虫類)が、各原虫種は特定の動物だけに感染する。この二つの事実はマラリア原虫と宿主との密接な関係を示唆する。この関係の把握を目的に、ミトコンドリアゲノムを用いてマラリア原虫と宿主の進化の比較を行った。その結果、現生マラリア原虫の起源(約3,800-2,500年前)、において急速な多様化が起き、その多様化は(恐らく、トリ・爬虫類原虫から哺乳類への)宿主転換によって生じたことを見いだした。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Independent unique evolution of pyrimethamine resistance of P. falciparum in Melanesia.2007
Author(s)
T. Mita, K Tanabe, N. Takahashi, L. Dysoley, F. Eto, I. Hwaihwanje, H. Ohmae, K. Kita, S. Looareesuwan, A. Kaneko, A. Bjorkman, and T. Kobayakawa.
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Journal Title
Antimicroh. Agents Chemother. 51
Pages: 1071-1077
Peer Reviewed
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