2007 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザA型ウイルスの増殖を制御するNA遺伝子の機能解明
Project/Area Number |
18390142
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鈴木 隆 University of Shizuoka, 薬学部, 教授 (20240947)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 忠伸 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (20405145)
|
Keywords | インフルエンザウイルス / シアリダーゼ / NA遺伝子 / ノイラミニダーゼ / パンデミックウイルス |
Research Abstract |
哺乳動物のインフルエンザA型ウイルスは、カモなどの野生水鳥の腸内ウイルスに由来することが明らかになっているが、どのような分子機構によりインフルエンザウイルスが異種動物間で宿主域を越えて感染伝播し、病毒性を獲得することができるのか完全には解明されていない。本研究は、アジアかぜ、香港かぜ、あるいはスペインかぜのヒトパンデミックウイルス株や高病原性トリインフルエンザウイルス株NAの性質が、新型インフルエンザウイルスの出現や伝播にどのように関与しているのかを明らかにすることを目的とする。そこで、本年度は1)1918年(スペインかぜ)のパンデミックウイルスが、シアリダーゼ活性のlow-pH安定性を保持しているのかを明らかにするために、ペインかぜウイルスNA遺伝子のcDNA遺伝子を用いてNAの細胞発現ベクターを構築し、1933年以降に分離されているH1N1ウイルス株NAやカモウイルスNAのシアリダーゼ活性のlow-pH安定性と比較した。2)昨年度に引き続き、トリインフルエンザウイルスと同様にシアリダーゼ活性のlow-pHを保持するA/Hong kong/1/68(H3N2)株のNA遺伝子と部位特異的変異法により2箇所(344番目と466番目)のアミノ酸部位を変異させることでシアリダーゼ活性のlow-pHを消失させたNA遺伝子を用いてバキュロウイルス発現系による可溶性NA糖タンパク質を作製した。その結果、これらキメラNA糖タンパク質がウイルス同様にlow-pH安定性を保持していることを確認した。
|