2007 Fiscal Year Annual Research Report
難治性慢性ウイルス感染症及び腫瘍に対する新規細胞治療システム
Project/Area Number |
18390145
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山本 直樹 National Institute of Infectious Diseases, エイズ研究センター, センター長 (00094053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 典生 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40323703)
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Keywords | 細胞治療 / 難治性慢性感染症 / 腫瘍 / ウイルス |
Research Abstract |
現時点では有効な治療薬がまったくないATLの患者血液を用いて、NOGで例外なしに生着すること、エイズのプロテアーゼ阻害薬が有効であることも確認している。さらには自己NK細胞やCD8T細胞などを用いてex vivoで活性化後にマウスに投与しその免疫治療効果を示した。とくにNK細胞による抗癌免疫治療の効果を検証しており、その効果があることが示された。 一方、HIV-1研究でも同様に、NOGマウスを用い、新しいHIV-1感染モデルとしての特徴と有用性の検討を行った。ヒト造血幹細胞移植NOGマウスでは、B細胞、T細胞の他、単球/マクロファージ、樹状細胞などのヒト細胞群の発生がみとめられた。リンパ組織中には、HIV-1コレセプターであるCXCR4やCCR5を発現するCD4陽性細胞が確認された。HIV-1感染実験により、R5およびX4指向性両方のHIV-1に高い感染感受性を示し、血漿中には投与後3ヶ月以上高いウイルスコピー数が検出された。感染マウスの末梢血と脾臓ではCD4陽性T細胞の割合が経時的に減少し、胸腺内ではCD4/CD8共陽性の未熟T細胞の消失がみられた。また、HIV-1特異抗体を産生する個体がみられ、このマウスがHIV-1に対する免疫誘導能を持つことが明らかとなった。このことから、ヒト造血幹細胞移植NOGマウスは、新しいエイズモデルとしてその発症機序の研究や新規薬剤・ワクチン開発への応用が期待される。
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