2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390149
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 雅彦 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教授 (20208523)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (00202763)
坂本 明美 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (90359597)
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助手 (30376363)
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Keywords | 免疫学 / 遺伝子 / 癌 / ゲノム / 発現制御 |
Research Abstract |
Bcl6の体細胞突然変異導入における機能を明らかにする目的で、Bcl6欠損B細胞のIg遺伝子のスイッチ領域の体細胞突然変異を詳細に解析した。その結果、刺激前のBel6欠損B細胞ですでにスイッチ領域に体細胞突然変異が高頻度に見られ、IgG1へクラススイッチを誘導することにより、その頻度が倍加することを見出した。つぎに、Bcl6欠損B細胞のスイッチ領域に見られた体細胞突然変異とActivation induced cytidine deaminase (AID)との関連を解析したところ、Bel6欠損B細胞におけるIg遺伝子のスイッチ領域にみられた体細胞突然変異の頻度の上昇がAIDによるものではないことが示唆された。またすでに、ヒトの胚中心B細胞においてIg遺伝子以外の遺伝子(c-Myc遺伝子など)においても体細胞突然変異が起きることが明らかにされているので、Bel6欠損B細胞においてc-Myc遺伝子の体細胞突然変異を解析したところ、その頻度が正常B細胞と比較して著しく高くなっていることを見出した。 そしてBcl6欠損B細胞のIg遺伝子のスイッチ領域およびc-Myc領域での体細胞突然変異の塩基配列を解析したところAdenine(A)からGuanine(G)への変異頻度が異常に上昇していた。そこで、Cytidine deaminase活性をもつRNA修飾酵素であるAIDが抗体遺伝子に体細胞突然変異を導入できるという事実からヒントを得て、RNAにおいてAからG(Inosine)への変異を誘導するAdenosine deaminase活性をもつ遺伝子の発現を解析した。その結果、RNA修飾酵素をコードするAdenosine deaminase acting on RNA1(ADARI)遺伝子がBcl6の標的遺伝子であることを見出した。さらにADAR1を正常B細胞に過剰発現させるとIg遺伝子のスイッチ領域やc-Myc領域でのAからGへの体細胞突然変異が著しく増加することを見出した。
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Research Products
(6 results)