2006 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞レセプターファミリー分子PILRを介した新たな免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
18390151
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒瀬 尚 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (10261900)
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Keywords | ペア型レセプター / PILR / NK細胞レセプター / NK細胞 / 免疫逃避 / 単純ヘルペスウィルス |
Research Abstract |
NK細胞レセプターは、活性化レセプターと抑制化レセプターよりなりウィルス等の病原体とともに進化してきたと思われ生体防御に重要な機能を担っていると考えられる。PILRは、新たな活性化NK細胞レセプターを同定する目的でNK細胞cDNAライブラリーより活性化アダプター分子であるDAP12に会合する分子として活性化CD200レセプターと共に同定した分子である(Shiratori, et. al. J. Immunol. 2005)。そこで、本研究ではPILRがどのような分子を認識するかに解析を進めた。その結果、PILRは宿主リガンドであるCD99様分子ばかりでなく(Shiratori, et. al. J. Exp. Med. 2004)、単純ヘルペスウィルス感染細胞を認識することを明らかにした。そこで、単純ヘルペス感染細胞上に発現するリガンドを質量分析で解析すると、単純ヘルペスのエンベロープ分子であるGlycoprotein Bであることが判明した。Glycoprotein Bは単純ヘルペスの感染に必須な分子であることから、PILRとの相互作用が単純ヘルペスの感染に関与しているかを解析した。その結果、単純ヘルペスはPILR発現細胞に感染するようになることが明らかになった。さらに、PILRに対する抗体を樹立すると、抗PILR抗体はPILR発現細胞に対する感染を完全に阻害することが明らかになった(特願2007-005229)。以上より、ペア型抑制化レセプターであるPILRは、単純ヘルペスウィルスのエントリーレセプターであることが明らかになった。特に、抑制化レセプターを介して、細胞に感染することから、ウィルスは免疫応答を誘導せずに細胞に侵入することがかのうである。従って、ウィルスの免疫逃避機構として重要であると思われ、単純ヘルペスウィルス以外でも同様な感染機構を持っているもが存在する可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)