2006 Fiscal Year Annual Research Report
消化管肥満細胞とIgEを介した寄生虫感染免疫におけるPI3キナーゼの機能解明
Project/Area Number |
18390155
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小安 重夫 Keio University, 医学部, 教授 (90153684)
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Keywords | ノックアウトマウス / MAdCAM-1 / α4β7インテグリン / CD40 / IL-4 / 阻害剤 |
Research Abstract |
消化管肥満細胞分化におけるPI3Kの機能の研究からは以下のことがあきらかになった。骨髄中に存在するc-Kit陽性α4β7インテグリン陽性の肥満細胞系列にコミットした前駆細胞に類似の細胞を、骨髄をIL-3で培養することによって得ることが出来た。そこでこの細胞を蛍光色素で標識した後に移植することで前駆細胞の体内挙動を明らかにする系を構築し、この系を用い、野生型とPI3Kノックアウトマウス由来の前駆細胞の腸管への移動を検討したところ、前駆細胞にPI3Kが発現することが腸管への移動に必要であることが明らかになった。さらに腸管への移動に重要とされるα4β7インテグリンとそのリガンドであるMAdCAM-1の相互作用を介した細胞運動にPI3Kが必要であることを示す結果を得た。一方、PI3KによるIgE調節の研究からは以下のことが明らかになった。In vitroで脾臓のB細胞をCD40とIL-4で刺激することで、IgEヘクラススイッチを誘導することが出来る。この実験系を用いてIgEへのクラススイッチの制御機構を検討した。野生型とPI3Kノックアウトマウス由来のB細胞を比較するとノックアウトマウス由来のB細胞においてIgEへのクラススイッチが有意に亢進しているが、野生型のB細胞をPI3Kの触媒サブユニットの一つであるp110δ特異的な阻害剤で処理することでもIgEへのクラススイッチの亢進が見られた。これらの結果から、B細胞に発現するp110δがIgEへのクラススイッチを負に制御すると考えられた。また、樹状細胞との相互作用がIgEの負の制御に機能することも明らかになった。
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Research Products
(6 results)