2007 Fiscal Year Annual Research Report
患者-薬剤師のリスク・コミュニケーションに関する基礎的研究
Project/Area Number |
18390161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萩原 明人 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (50291521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信友 浩一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90037424)
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Keywords | リスク・コミュニケーション / 薬剤師 / 患者 / 服薬コンプライアンス |
Research Abstract |
良好な薬剤師-患者コミュニケーションは、患者の服薬コンプライアンスを向上させ、副作用を防止するうえで、不可欠の要素とされている。近年では、薬に伴う個人リスクの回避に関する問題として、専門家(医師、薬剤師)は使用法や副作用に関する情報を患者にどう伝えるかというリスク・コミュニケーションの問題として検討されている。先行研究は患者を対象にしたものが主流で、(1)薬の使用法の説明に比べ、副作用の説明が少ない、(2)薬の情報に関し、医師から求めるグループ、薬剤師から求めるグループ、書物やインターネット等を利用するグループ、求めないグループに大別される、といった概略的なことしか分っていない。リスク・コミュニケーション改善に役立っと思われる、(1)や(2)の知見の背景にある患者-薬剤師コミュニケーションの問題点については不明である。そこで、本研究では、従来の方法に代えて、萩原らが提唱する、福岡県内の薬剤師と患者をペアにし、自記式質問票による薬剤師・患者間コミュニケーションに関する調査を行い、薬に関する薬剤師-患者間のリスク・コミュニケーションを評価した。 その結果、以下の点が明らかになった。(1)「薬剤師の説明の程度」「薬剤師の説明に対する患者の理解」「薬剤師の説明、指導、対応の適切さ」に関し、患者よりも薬剤師の評価が高い場合("Pharmacist better")、患者アウトカムに関して悪影響を及ぼしている。(2)しかも、この知見は、医師・患者コミュニケーションの場合と同じであった。更に、(3)患者よりも薬剤師の評価が高い場合("Pharmacist better")に関連する患者と薬剤師側の要因の特定は、今後、薬剤剤師に対するコミュニケーション研修を行ううえで有益であると思われる。しかしながら、何故このような知見が得られたのかという理由や背景については、更に検討を加える必要がある。また、回答率が低かったので、知見の外的な妥当性については更に慎重に検討する必要がある。
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