2009 Fiscal Year Annual Research Report
急性期医療における有害事象による医療費構造の変化と質保証コストに関する検討
Project/Area Number |
18390164
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大道 久 Nihon University, 医学部, 客員教授 (60158805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅里 良正 日本大学, 医学部, 准教授 (60213485)
寺崎 仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (90227512)
橋口 徹 日本福祉大学, 福祉経営学部, 准教授 (20337439)
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Keywords | 医療安全 / 機会費用 / コスト分析 / 医療事故 / トレーサビリティ / バーコード |
Research Abstract |
これまでに実施した16病院を対象にした調査結果の分析から、専従医療安全管理者の配置や医療安全委員会の開催等の人的資源の投入状況に関しては安定したデータが入手できるが、安全に配慮された医薬品の使用や事故防止のための用具・備品・設備のコスト・データは信頼性の観点から制約が大きいことが明らかとなった。そこで、人的資源の投入状況についてより多くの病院を対象に調査することが有効と考え、専従者・管理者等の安全関連の直接業務、および医師・看護師等の医療従事者が医療安全確保のために委員会出席や研修会参加などで費やされた機会費用を把握するための調査を実施した。全国の病院1514施設を対象にアンケート調査を行い843病院(回答率約56%)から回答を得た。その結果、医療安全管理業務に要する人的資源の投入費用は、1病院(平均314床)年間約7400万円、100床当たり1カ月約223万円、1床当たり1日約734円であった。また、規模が小さい病院ほど相対的に大きな負担となっていることが確認された。 事故防止と医療の質保証のために投入されている費用の定量的な検討は、医療事故による在院日数の延長や、付加的な治療コストなどが計測可能であるが、実際の調査は容易ではなくモデル的検討の範囲にとどまった。医療現場では医師・看護師の人材確保が困難で、特に急性期医療の現場では疲弊して適切な調査を行う環境にはなかった。基本的な医療安全を確保する上で、上記の調査結果を必要なコストの実証データとして活用するよう行政に働きかけた。 一方、医薬品や医療材料の安全な使用のために、バーコードによるトレーサビリティを確保した運用が有効であることを検証する調査を行った。処方または指示された薬剤が確実に患者に投与されるための薬剤師・看護師の確認行為は、注射薬のバーコードと患者のリストバンド等のマッチング・システムの運用によって、安全確保と疲労軽減に有効であることが実証された。
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Research Products
(3 results)