2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH1受容体遺伝子発現機構を標的とする新規アレルギー治療法
Project/Area Number |
18390167
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福井 裕行 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90112052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 憲昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30206982)
前山 一隆 愛媛大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00157158)
川添 和義 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (00248296)
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Keywords | ヒスタミンH_1受容体 / 疾患感受性遺伝子 / 鼻過敏症 / IL-4 / 天然物医薬 / 初期療法 / 蛋白キナーゼC-δ / スプラタスト |
Research Abstract |
(1)ヒスタミンH_1受容体刺激によるヒスタミンH_1受容体遺伝子発現亢進の分子機構 ヒスタミシH_1受容体刺激により蛋白キナーゼC-δの活性化が引き起こされ、蛋白キナーゼC-δ活性化シグナルはAP-1、Ets-1、及び、Ku70-Ku86-poly(ADP-ribose)polymerase1複合体の3つの転写調節因子を介してH_1受容体遺伝子プロモーターの活性化を引き起こすことを明らかにした。 (2)ヒスタミンH_1受容体遣伝子発現を抑制する薬物の同定 ヒスタミンH_1受容体遺伝子発現を抑制する薬物として、デキサメサゾン、トシル酸スプラタスト、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)、エピガロカテキンガレート、アピゲニン、及び、苦参エキスの有効成分を同定した。天然物医薬として、乳酸菌、小青竜湯、及び、アユルベーダのAlbizzia lebbeckに抑制活性があることを明らかにした。 (3)トジル酸スプラタネトの分子薬理機構 トシル酸スプラタストは培養細胞(RBL 2H3細胞)のIL-9遺伝子発現亢進に対して強力な抑制作用を示した。スプラタストはNF-ATのカルシニューリンとNF-ATの結合阻害によりIL-9遣伝子発現亢進を抑制することが示唆された。 (4)ヒスタミンとIL-4のシグナルクロストークによる鼻過敏症症状悪化機構 ラット鼻粘膜にIL-4を投与することによりヒスタミンH_1受容体mRNAが増加した。この機構はJak3を介して亢進し、ヒスタミンH_1受容体刺激によるヒスタミンH_1受容体遺伝子発現亢進と相加的に引き起こされた。一方、ラット鼻粘膜へのヒスタミン投与によりIL-4mRNAが増加したが、ヒスタミンの1週間連続投与を必要とした。ヒスタミンによるIL-4産生細胞の遊走、或いは、増殖によることが示唆された。
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Research Products
(22 results)