2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390169
|
Research Institution | DNAVEC Corporation |
Principal Investigator |
弘中 孝史 DNAVEC Corporation, 事業開発本部・研究開発部, 生産センター長 (50373543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 浩志 ディナベック株式会社, 事業開発本部・研究開発部, 研究員 (60373544)
井上 誠 ディナベック株式会社, 事業開発本部・研究開発部, 部長 (30373541)
|
Keywords | 薬物輸送学 |
Research Abstract |
Sendai virus(SeV)ベクター本体であるribonucleoprotein(RNP)を遺伝子ベクターとして使用するためにin vitro及びin vivo導入法の開発とin vivo導入後のSeVに対する免疫応答の評価を行った。本実験には非伝播型のF遺伝子欠失型SeVにlucifereae及びGFPを搭載したSeVベクター(SeV18+luciferase/TSΔF及びSeV18+GFP/TSΔF)の感染細胞から精製したRNPを用いた。RNPはin vitroでカチオン性脂質を用いると実に効率よく導入できることを示した。更に導入効率改善のために、数種類のウイルス膜由来成分あるいは補助脂質(DOPE等)でRNP-リポソームを調製し、細胞へ導入を試みた結果、血清存在化においても効率的に導入できることが示された。しかし、in vivoで導入では十分な導入結果を得ることができなかった。一方、RNPの筋肉への投与実験からRNPのみで導入が認められており、導入効率を上げる日的で物理的導入方法(ソノポレーション法)を検討した。LLC-MK2細胞ヘマイクロバブル(SV-25)とRNP混合溶液を超音波処理(1MHz,40V,30sec,ソノポール4000,ネッパジーン社)して導入した結果、SV-25添加により導入効率が増加(10%血清存在下:約15倍、血清非存在下:約500倍)することがわかった。次に、RNPを同方法でマウスの耳介、大腿四頭筋、皮下、及び足裏へ投与した結果、いずれの組繊でも導入効率が約2倍-10倍に増加し、RNPの新投与方法を提示できた。また、ラット前頸骨筋へRNP単独で複数回投与の可能性が示されたことから、ELISAによる血清中のSeV抗体価の評価を行った結果、SCV及びRNP両投与群で経時的なSeV抗体価の増加が認められた。これはRNPが組繊細胞内に導入されて、SeV関連の蛋白質を産生したことを強く示唆している。また、血清中に中和抗体が検出され、SeVの反復投与の難しさはこれら抗体によるものと思われる。一方、RNP投与群でもSeV抗体側及び中和抗体価が増加しているが、RNPの導入にはF及びHN蛋白質が関与せず分子中にも存在しないことで反復投与が可能と考えられる。本実験を通して新規遺伝し導入ベクターとしてRNPの有用性を示すことができた。
|