2008 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブセンサーによるリアルタイム生体モニタリングの研究
Project/Area Number |
18390170
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 仁志 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 教授 (70197622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武笠 幸一 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任教授 (00001280)
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Keywords | 乳酸 / カーボンナノチューブ / リアルタイムモニタリング / バイオセンサー |
Research Abstract |
CNT-バイオセンサーはガラス基板上に蒸着法によりチタン-金で作用電極を作製した。市販の単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を酸処理し、フラグメント化した0.5mg/mlSWCNT分散液を作用電極に滴下した。Ag/AgC1電極を参照電極として、作用電極とカウンター電極間の電圧を50mVとした時の作用電極に流れた電流量を測定した。電流量は滴下したSWCNT分散液量依存性を示した。作用電極に分散液量を5, 10あるいは20μl滴下して作製したCNT-バイオセンサーについて、様々な濃度の過酸化水素の酸化還元電流を測定したところ、20μlで最も高い再現性を示したので、以下SWCNT分散液滴下時には同用量を用いた。電気化学的手法で過酸化水素を測定できれば、臨床検査の共通反応系が不要であり、簡便安価な測定が可能となる。そこで、CNT-バイオセンサ-による緩衝溶液(20mMリン酸カリウムバッファー : Ph7.2)中の過酸化水素の定量を行った。30μMから30mMの過酸化水素において検量線が作成できた。この測定は、乳酸濃度が0mMから1.0mMに相当し、この時感度は分光学測定法と同程度で、測定のダイナミックレンジは高濃度側で当方法のほうが広かった。アスコルビン酸、ビリルビン、尿酸、ヒト血清アルブミンによる阻害実験では、アスコルビン酸は10%以下の阻害、それ以外は5%以下の阻害であった。血清存在下では阻害を受けたが、血清の前処理で影響を小さくすることができ、100倍希釈血清において10.2%の阻害効果に抑えられた。以上より、乳酸をはじめ、酸化酵素により過酸化水素を産生する酵素反応の定量法として、CNT-バイオセンサー法が有益であることが示された。また,リアルタイム生体モニタリングが小児から高齢者までの身体活動量増加に効果的であることが歩数計による研究で示された。
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