2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390178
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
湯浅 保仁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80111558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 好光 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
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Keywords | エビジェネティクス / メチル化 / 生活習慣 / 胃がん / 血球DNA / 緑茶 / カルシウムチャンネル |
Research Abstract |
1.胃がんにおけるカルシウムチャンネル遺伝子CACNA2D3のメチル化 胃がんにおいて、カルシウムチャンネルの遺伝子CACNA2D3のメチル化を解析した。CACNA2D3のメチル化は胃がん70例中19例(27.1%)で検出され、未分化型での頻度が分化型より高かった。また、メチル化陽性患者では陰性患者より生存期間が短かった。CACNA2D3遺伝子を培養細胞で強制発現させるとその増殖を抑え、p21やp27の発現量が増えた。以上より、メチル化によるCACNA2D3の発現低下は、胃のがん化に関与している可能性が示唆された。 2.胃がんにおける接着関連遺伝子IQGAP2のメチル化 IQGAP2のメチル化を胃がんで解析した結果、60例中28例(46.7%)で検出され、メチル化がある症例では、予後が有意に悪かった。細胞レベルでの解析で、IQGAP2の発現を抑えると、細胞の侵潤能が上がり、.予後との関連が示された。 3.メチル化と生活習慣との関連の解析 胃がん患者において、CDX2、GATA-5、Estrogen Receptor、 CACNA2D3、BMP-2各遺伝子のメチル化頻度と生活習慣との関連を解析した。その結果、緑茶の摂取量が多いとCDX2とBMP-2のメチル化頻度が低いことがわかり、メチル化頻度は生活習慣により変化する可能性が示された。 4.血球DNAのメチル化をバイオマーカーとして応用する試み もし、血球DNAのメチル化の程度が各臓器のメチル化の程度を反映するとしたら、血球DNAのメチル化をがんリスクのバイオマーカーとして利用できる可能性がある。いくつかの遺伝子では一部の血球DNAでもメチル化が見られたので胃がん患者とがんを発症していない人の血球DNAにおけるメチル化の程度を比較した。有意差は出なかったが、一部の遺伝子では、高齢化や喫煙量の増加に伴いメチル化の頻度が上がった。
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Research Products
(9 results)