2006 Fiscal Year Annual Research Report
持続性炎症の遺伝的要因の究明とその生活習慣病への関与に関する分子疫学研究
Project/Area Number |
18390190
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
林 奉権 (財)放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 免疫学研究室長 (70333549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 洋一郎 (財)放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 副部長 (60333548)
得能 正英 (財)放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 来所研究員 (40288824)
中地 敬 (財)放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 部長 (00142117)
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Keywords | ゲノム / 放射線 / 炎症 / 生活習慣病 / 分子疫学 / 遺伝子多型 / サイトカイン / ケモカイン |
Research Abstract |
インフォームドコンセントを得た研究対象原爆被爆者7,000名の冠動脈疾患、糖尿病、がんなどの疾患既往歴および喫煙などの生活習慣・環境および臨床検査データを収集した。7,000名の内3,500名については保存している血球成分からのDNA抽出をすでに完了しているので、本年度は残りの3,500名についてDNAの抽出を行った。対象者から得られたDNA試料は連結可能匿名化され、有効に利用するため市販のキットを用いて全ゲノム増幅を行った。炎症性サイトカイン遺伝子(IL-6、TNF、LTA、LTB、IFNG、IL-10)についてデータ-ベース(NCBIおよびJSNP)を基に計47多型部位を選定した。心筋梗塞、狭心症、心筋症、糖尿病、がんの既往歴がなく、原爆放射線に被曝していない健常者(非被曝者)334名を7,000名から選び、上記炎症サイトカインの遺伝子多型をTaqman-allelic discrimination法により検討した。近接した複数の遺伝子座にまたがる領域について遺伝子多型の連鎖不平衡を解析し、ハプロタイプの有無を調べた。その結果、調べた炎症性サイトカイン遺伝子の中で、TNF-LTA-LTB遺伝子領域に異なる4つのハプロタイプブロック、IFNG、IL-10遺伝子内に各々1つのハプロタイプブロックを見出した。また、本年度は非被曝健常者334名と被曝(推定被曝線量5mGy以上)健常者461名の血漿IL-6とTNF-αを測定した。現在さらに血漿IFN-γを測定中である。これらのデータが測定された後、これらのサイトカイン血漿濃度と遺伝子型・ハプロタイプとの関係を検討するためのphenotype-genotype解析を行う予定である。
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Research Products
(6 results)