2006 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者における重度化要因の解明と介護予防効果の検証
Project/Area Number |
18390191
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻 一郎 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20171994)
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Keywords | 疫学 / 介護保険 / 老化 / コホート研究 / 低栄養 / 要介護 |
Research Abstract |
(1)要介護度の推移に関する記述疫学的検討:平成15年4月時点で介護保険の認定を受けている者について、その後の要介護認定度の変化(推移)を調査するために、データ授受や個人情報保護の方法について宮城県保健福祉部と協議を積み重ねた。その結果、県内15市町村より、個人識別情報を削除したうえでデータを提供していただけることとなり、そのためのデータベースを構築した。実際のデータは平成19年7月までに提供される予定である。 (2)要介護度の改善・悪化に関わる要因に関するコホート研究:仙台市宮城野区鶴ヶ谷地区の70歳以上住民を対象に、平成14・15,年に高齢者総合機能評価(CGA)を実施した。平成14年の受診者943名、同15年の受診者755名(うち前年との重複547名)、合計1,151名を対象として、本人の同意に基づき、死亡・転居や介護保険認定に関する状況を追跡している。この間、死亡者は36名、介護保険の認定を受けた者は111名であbた。 本年度は、低栄養と介護保険認定・死亡リスクとの関連について検討した。上記CGAデータより、血清アルブミン値3.5g/dL以下、血清総コレステロール値160mg/dL以下、ヘモグロビン値11.0g/dL以下、Body Mass Index 18.5kg/m^2未満の者を、それぞれ低栄養群と定義して、それ以外の者を均等に3分割した。この4群の間で、その後の介護保険認定・死亡リスクとの関連を分析した。その結果、血清アルブミン低値と血清総コレステロール低値の者で、介護保険認定・死亡リスクが有意に上昇していた。しかし血清アルブミン値3.5g/dL以下に該当する者は対象者の1.3%に過ぎないため、その基準を緩和する必要が示唆された。
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