2006 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期・新生児期・若年期の環境・遺伝要因の生活習慣病発症に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
18390192
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 潤 東北大学, 大学院薬学研究科, 教授 (40133946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 州博 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90124560)
小林 光樹 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30250781)
大久保 孝義 東北大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (60344652)
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Keywords | 遺伝 / 生活習慣病発症 / 家庭血圧 / 24時間自由行動下血圧 / 高血圧症 / 胎児発育遅延 / Barker仮説 |
Research Abstract |
病院で測定する血圧に比較し、家庭血圧や24時間自由行動下血圧は、予後予測能に優れるが、どの時間帯の血圧がどのような疾患と関連しているかは明らかとなっていなかった。そこで、24時間自由行動下血圧測定で得られた血圧値を昼夜別に有病率や予後との関連を検討したところ、夜間血圧は横断的検討において頸動脈肥厚・無症侯性脳血管障害の有無と関連し、縦断的検討において脳梗塞発症や脳梗塞による死亡や心疾患による死亡と関連していた。一方で昼間血圧レベルは脳出血発症や脳出血による死亡と関連しており、血圧を測定した時間帯により、関連する疾患が異なることが明らかとなった。また、収縮期血圧・拡張期血圧・平均血圧・脈圧の4つの血圧情報の中では収縮期血圧が最も脳卒中発症と関連し、家庭血圧の脳卒中発症予測能は特に降圧薬服用者において朝の血圧の方が予後予測能に優れていた。以上より、遺伝情報や出生児情報と血圧との関連を検討する際には昼夜別や朝晩別の血圧情報をそれぞれ解析する必要があることが明らかとなった。 血漿フィブリノーゲンレベル高値は24時間自由行動下血圧レベルちは独立して無症候性脳梗塞の存在と関連することが明らかになった。血圧と凝固系因子は妊娠高血圧症候群においても相互作用を持つ可能性があることから今後検討する必要性が示唆された。 大迫コホートにおいて、親が早世であった群では、親が長寿であった群に比較して、成人後の血圧レベルが有意に高値であり、高血圧有病率も高かった。Gタンパク質制御遺伝子であるRGS2遺伝子多型と高血圧新規発症との関連を検討したところ、AA型を有する群ではそれ以外の群に比較して高血圧発症リスクが高値を示した。これらは、生活習慣病発症予測因子の一つであると考えられた。
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