2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域づくり型自殺予防対策の有効性に関する研究ーソーシャルキャピタルモデルの構築
Project/Area Number |
18390193
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
本橋 豊 秋田大学, 医学部, 教授 (10174351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 善博 秋田大学, 医学部, 講師 (70344752)
佐々木 久長 秋田大学, 医学部, 助教授 (70205855)
山路 真佐子 秋田大学, 医学部, 講師 (70299882)
湯浅 孝男 秋田大学, 医学部, 教授 (90241679)
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Keywords | アジア / 自殺予防 / ネットワーク / 共同研究 / 訪問調査 |
Research Abstract |
地域づくり型自殺予防対策の有効性を検証するために、3年計画の地域介入と評価の研究を実施した。対象地域は秋田県北部(内陸部)に位置する人口38,466人(平成17年1月)の鹿角市であった。平成18年度は自殺対策の基礎となるメンタルヘルスの基礎調査を実施し、今後の自殺対策立案の基礎資料を得ることにした。調査対象は同市在住の30〜69歳の男女で、9596人から回答を得た。調査項目は、CES-Dによるうつ状態の評価とソーシャル・キャピタルモデル構築の基礎となるソーシャル・キャピタルに関する質問を中心に構成した。その結果、中等度のうつ状態と判定されたヒトの割合は12.5%、重度のうつ状態と判定された人の割合は5%であった。地域に愛着がありますか、お互いに助け合う気持ちがありますか、という質問に対して、23.6%、22%の人が「強くある」と回答した。これらの結果を秋田県の他のデータと比較すると、能代市と比べて、中等度のうつ状態の頻度は低かった。ソーシャル・キャピタルのデータについては、差は認められなかった。 鹿角市における包括的な自殺予防対策の介入として、平成18年度は調査結果の広報、調査結果にもとづく健康教育の実施、保健担当職員の研修、民生児童委員に対する研修を行った。ソーシャル・キャピタルの強化が住民のメンタルヘルスに対する意識を向上させ、地域の自殺対策のネットワークの強化につながるという仮説を検証するために、住民の自発的活動を支援するための教育プログラム、地域の自殺対策ネットワーク会議の立ち上げを市と共同して行った。平成19年度以降、これらのソーシャル・キャピタル強化方策の効果検証のため、質的評価法による評価を実施することにしている。
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