2006 Fiscal Year Annual Research Report
母子健康影響因子となる臭素系難燃剤及び塩素・臭素化ダイオキシン類の汚染実態の究明
Project/Area Number |
18390202
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
太田 壮一 摂南大学, 薬学部, 助教授 (10213729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青笹 治 摂南大学, 薬学部, 助手 (20248066)
中尾 晃幸 摂南大学, 薬学部, 助手 (20288971)
落合 富美江 静岡県立大学, 看護学部, 助教授 (20295554)
清水 嘉子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (80295550)
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Keywords | Co-PXBs / PBDEs / Co-PCBs / 塩素・臭素化ダイオキシン類 / 臭素化難燃剤 / 母乳汚染 / 食品汚染 / 新規環境汚染物質 |
Research Abstract |
まず、我が国におけるCo-PXBsによる汚染実態の解明の一環として、過去のCo-PCBsによるヒト生体試料中の汚染調査研究データを詳細に検討し、生体中で最も高頻度かつ高濃度で観察され、またその毒性等価係数(TEF値)も高い5種類の5〜6ハロゲン化体のアイソトープ標準品を新たに合成依頼して、その標準品を用いてGC/MSによる高精度微量分析法の確立を試みた。 まず、標準品を用いた各異性体におけるマススペクトルを検討した結果、第1イオンピークは、各同族体共に最大強度を示した親イオンピークを用いて定量することにした。また、キャピラリーカラムの特性やGC-MSの測定条件について、これら標準品の感度や分離パターンの最適条件を検討した結果、各異性体のピークが高感度かつ良好に分離されていることが確認された。 次に、実試料を用いて検討を試みたところ、魚(サバ)試料中に観察されたCo-PXBsにおけるピークとして、Pe(MOBr-TeCl)Bのクロマトにおいて、^<13>Cのラベル化体から同定されたピーク(#105、#118、#126A)以外に、そのフラグメントイオンピークのパターンの解析から同じ仲間と推定されるMoBr-TeCl-Bのピークが4種類程観察された。同様にHx(MoBr-PeCl)Bのクロマトにおいては3種類、Pe(TriBr-DiCl)Bのクロマトにおいても2種類程が、同様な化学構造であると推定されるファミリーのピークが観察された。 さらに、市販の食品中の汚染物質の定量に着手した。その結果として、魚肉試料中のCo-PXBsにおいては、最高濃度のものはサバ(千葉)と養殖のハマチで、1.2pgであり、最も低かった千葉産のイワシであった。これは、塩素化ダイオキシン類の魚介類汚染の場合と同様に、近海・沿岸魚の方が、並びに脂肪含量の高い魚種の方が、より高濃度に蓄積するという傾向とよく一致した。
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Research Products
(1 results)