2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトミニサテライトの不安定性を有する実験動物モデルの構築とその法医遺伝学的応用
Project/Area Number |
18390205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉木 敬二 京都大学, 医学研究科, 教授 (90217175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 剛 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (90163948)
武田 俊一 京都大学, 医学研究科, 教授 (60188191)
山本 敏充 名古屋大学, 医学研究科, 助教授 (50260592)
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (00303842)
奥野 知子 京都大学, 医学研究科, 助手 (30288386)
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Keywords | ミニサテライト / 動物モデル / メダカ |
Research Abstract |
ヒト高変異ミニサテライトの生殖細胞の減数分裂時のゲノム動態の謎は、現在も不明の点が多く、ヒトゲノムDNAの分析だけでは実証不可能である。このため、マウスによってモデル動物の作製検討がされたが、導入されたミニサテライトは生殖細胞系では全く変化せず、生殖細胞系の数百分の一の変異率しか示さない体細胞系の非特異的変異だけがわずかに観察されただけであった。最近になって、わが国ではメダカのゲノム研究が盛んになってきており、われわれも、メダカを実験動物として、ミニサテライトのゲノム不安定性の研究に着手した。平成18年度は、まず、メダカゲノムデータベースより、縦列反復配列を検索したところ、メダカの染色体8本には合計30504個の縦列繰り返し配列が検索され、ヒト染色体と比較して、リピートの長さ・回数の分布に顕著な差は見られなかった。しかし、HistryRおよび%GCを指標として、高変異ミニサライトを予測したところ、その数はヒトに比べて著明に低く、染色体1個あたりの平均値と標準偏差は、メダカ9.5±5.3個、ヒト105.3±26.2個であった。実際に多型性を確認するため、東京大学三谷啓志研究室よりご供与いただいた数種類のメダカDNAを用いて、数種のローカスについて、プライマーを作成して、PCR増幅を行ったところ、複数のアリルの存在を示すローカスが確認された。また、トランスミニサテライトメダカの作成を開始した。導入するヒトミニサテライトは最も変異率の高いローカスの一つであるB6.7を用い、ある個人のアリルについて、フランキング領域の少し長めのものと2種類をPCR増幅して、受精卵に注入した。注入された卵のうち、およそ3割が艀化して成魚となったが、そのうちB6.7を有するものは4個体であった。現在はその個体と野生個体を交配して作成した稚魚についてB6.7の有無を確認している。
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Research Products
(1 results)