2006 Fiscal Year Annual Research Report
血清中mRNAを用いた新規高感度病態診断法のプライマリーケアへの導入
Project/Area Number |
18390208
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
三浦 典正 鳥取大学, 医学部, 助教授 (30325005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汐田 剛史 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70263457)
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Keywords | RNA / 癌診断 / TERT / 医療機器 / 早期診断 / 炎症性疾患 / 化学療法導入 / 化学療法効果判定 |
Research Abstract |
本研究は、患者の血清中から疾病の原因遺伝子の活動性を、mRNAを指標として高感度に検出して行う病態診断法に関わるものである。本年度の検討として、以下の項目を行った。 1.各種病態に即した検出方法の標準化: 1)試薬開発を完成(キット化)し、各探索領域で本方法を臨床的に適応可能にする条件を標準化している。 2)癌や炎症性疾患を対象とした臨床データを更に蓄積し、各病態に応じたPCR用のプライマーを作製している。(インテックW&G社が担当し、研究支援大学から検体を受けている) 3)一回の定量測定で複数個の遺伝子の発現定量を可能にする癌、組織、病態特異的なチップの作製に着手している。(プライマーセットがすべて最適化された後にチップを作製) 4)遺伝子医薬の翫判定・効果判定についても検討する。(理研及び千葉大学と肺癌に関して共同研究を開始) 2.機器、カラムの開発: 1)血清中細胞成分除去用の遠心分離器の開発。(並木精密宝飾社担当) 2)高収量にRNAを得るための、DNase処理を必要としないDNAとRNA分離法の確立。(並木社が担当) 3)病態の質的診断を可能にする網羅的プライマーチップと定量機器の開発。(コニカミノルタ社がICAN法を基に開発中。) 臨床データの蓄積は、肺癌、膵癌、食道癌、胃癌、甲状腺癌、婦人科領域癌で行い、遺伝子マーカーとしてhTERT, survivin, EGFR, VEGF, CCNE1などを検討した。炎症性疾患に関しては、劇症肝炎とショック肺(ARDS)で行い、マーカーとしてTGF-α, VWF, c-metを検討した。生活習慣病に関しては、共同研究企業コスミック社の協力の下、インスリン抵抗性を、RBP4, adiponectinで検討した。 最終的な目標はプライマリーケアへの導入である。この1年間で各病態に関する高感度検出法として遺伝子の選択は順調に行え、機器の作製に応じて他の条件のすべてを最適化する環境を整えた。実用化は十分可能な見通しをもって、各企業も開発を行っている。迅速測定機器としての簡易化、自動化の実現が可能になると考える。
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