2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞インターフエロン応答遺伝子ライブラリーの作製と新規抗肝炎ウイルス薬の探索
Project/Area Number |
18390218
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
茶山 一彰 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00211376)
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Keywords | 肝炎ウイルス / インターフェロン / ゲノム / キメラマウス / 免疫 |
Research Abstract |
マウス肝臓が高度にヒト肝細胞に置換されたヒト肝細胞キメラマウスに用いてC型肝炎ウイルス(HCV)陽性ヒト血清を投与し、HCV感染マウスを作製した。HCV非感染マウスまたはHCV感染マウスに7000単位/gのインターフェロン(IFN)-αを投与後、マウス肝臓より採取したヒト肝細胞を用いて、cDNAライブラリーを作製した。作製したcDNAライブラリーを用いて、遺伝子発現プロファイルの変化をマイクロアレイ法にて解析した。 1.HCV感染に伴う遺伝子発現の変化 HCV感染により、有意に増加した遺伝子を149個、有意に低下した遺伝子を16個認めた。 2.IFN投与に伴う遺伝子発現の変化 HCV非感染群において、IFN投与後、投与前に比べ、有意に増加した遺伝子を80個、有意に低下した遺伝子を29個認めた。増加した遺伝子には既報のIFN誘導遺伝子以外の遺伝子も多く含まれていた。 3.HCV感染に伴う、IFN投与による遺伝子発現の変化 IFN投与後、HCV感染群において、HCV非感染群に比べ、有意に増加した遺伝子を27個、有意に低下した遺伝子を68個認めた。 HCV感染やIFN投与により多くの遺伝子の発現が低下または増加することが確認された。さらにはIFN投与後、HCV感染群では非感染群に比べ95個の遺伝子の発現が増加または低下していた。もし、これらの遺伝子発現の変化がIFNの治療効果と関連があるのであれば、これらの遺伝子を阻害または過剰発現させることによりC型慢性肝炎患者に対するIFN治療効果を増強させ得る、さらには新薬の開発へと発展され得る可能性がある。今後、HCV培養細胞系やHCV感染マウスを用いてこれらの遺伝子の機能解析を行っていく。
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Research Products
(7 results)