2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞インターフェロン応答遺伝子ライブラリーの作製と新規抗肝炎ウイルス薬の探索
Project/Area Number |
18390218
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
茶山 一彰 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00211376)
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Keywords | 肝炎ウイルス / インターフェロン / ゲノム / キメラマウス / 免疫 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、ヒト肝細胞キメラマウスを用いてC型肝炎ウイルス(HCV)感染マウスを作製し、インターフェロン(IFN)-αの投与によって生じるヒト肝細胞の遺伝子発現プロファイルの変化について、マイクロアレイ法とRT-PCR法にて解析を行なっている。さらに、再現性の確認と、宿主側の要因による遺伝子発現の違いを検討するため、1回目とは異なったヒト肝細胞を移植したキメラマウスを12匹用意し、同様の条件で追加検討を行った。 1.IFN投与に伴う遺伝子発現の変化の検討では、移植肝の違いによる差は認められず、発現量が有意に増加、または減少する遺伝子は同様であった。 2.HCV感染に伴う遺伝子発現の変化では、移植肝の違いによって発現が変化する遺伝子が認められた。これまで、宿主の違いによる反応性の差がはっきりと示されたことはなく、重要な結果であると考えられ、追加実験中である。 3.HCV感染群とHCV非感染群の比較においては、IFNによって誘導される多くの遺伝子が、HCV非感染群に比べてHCV感染群で誘導が抑制されていた。HCV感染に伴ってIFNによる誘導が減少していることが考えられた。感染によって誘導が減少している遺伝子が治療効果と関係すれば、新薬の開発へと発展されうる可能性があり、今後もこれらの遺伝子の解析を行なっていく予定である。
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