2006 Fiscal Year Annual Research Report
核内分子の包括的解析を基盤とした消化器癌診断法の開発
Project/Area Number |
18390221
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
篠村 恭久 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90162619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 実 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70270676)
山本 博幸 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40332910)
|
Keywords | 遺伝子不安定性 / 遺伝子変異 / メチル化 / 遺伝子診断 / 前癌病変 |
Research Abstract |
胃癌や大腸癌は早期発見により治癒が期待できる癌であり、高感度、高特異度で高速かつ大量に検体を解析できる消化器癌分子診断法あるいはスクリーニング法を開発することは重要な課題である。本研究では、胃癌および大腸癌において遺伝子変異や、DNAメチル化、ヒストン修飾などのエピジェネティックな異常、さらにはマイクロRNAの異常など、核内分子の包括的解析を行い、消化器癌の分子診断法およびリスク診断法を開発することを目的とする。本年度はゲノムスクリーニング法である、MCA法を用いて胃癌において異常メチル化しているゲノム領域を増幅し、RDA法によるサブトラクションを行なった。その結果、新規メチル化の標的遺伝子を7個同定した。同定した遺伝子の中でも、DFNA5遺伝子は腫瘍細胞にアポトーシスを誘導する作用を有し、大腸癌および胃癌において高率にメチル化により不活化されていた。胃癌のハイリスク群である皺襞肥大型胃炎は胃癌の高リスク群として重要である。皺襞肥大型胃炎におけるE-cadherin遺伝子のメチル化をbisulfite-sequence法により解析し、H.Pylori陰性胃炎、H.Pylori陽性胃炎、H.Pylori陽性かつ皺襞肥大陽性胃炎の順にメチル化が亢進することを明らかにした。また、ゲノムワイドな異常メチル化を有する胃癌において、異常メチル化にEpstein-Barrウイルスが重要な役割を果たすことを明らかにした。また、大腸癌あるいは大腸腺腫を有する患者由来の便、血清から、複数遺伝子の遺伝子変異・異常メチル化の検出に成功した。今後は、解析する遺伝子マーカーをさらに増やし、感度・特異度の向上を目指す。
|
Research Products
(16 results)