2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390227
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
倉林 正彦 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00215047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 昌史 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60270857)
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Keywords | 血管 / 転写因子 / 血管平滑筋細胞 / 動脈硬化 / 分化 / カルシウム / 糖尿病 / 腎不全 |
Research Abstract |
糖尿病や腎不全患者では高率に血管石灰化が見られる。血管石灰化は内膜石灰化と中膜石灰化に大別されるが,いずれの石灰化も心血管イベントの発症を増加させる。しかしながら,血管石灰化の詳細なメカニズムについては不明である。私たちは糖尿病や腎不全患者の血中に高レベルで存在するAGE(Advanced Glycation End-product)が血管石灰化を促進するか否かを検討した。AGEは受容体RAGE(Receptor for AGE)を介して細胞内情報伝達系を活性化することが知られていることから,RAGEを培養血管平滑筋細胞に強制発現し,AGEにて刺激をした。その結果,血管平滑筋細胞はアルカリホスファターゼや他の骨芽細胞特異的因子(オステオポンチン,オステオカルシンなど)が陽性の骨芽細胞に変換した。また,そのメカニズムを解析した結果,RAGEの活性化はNotchシグナルを活性化することが明らかになった。 私たちはこれまでにFGF2が平滑筋細胞の分化を抑制し,骨芽細胞への分化を促進すること,Cbfa1/Runx2が動脈硬化病変に発現し,平滑筋α-actinの発現とは相反する分布を示すことや,Cbfa1/Runx2がmyocardinの機能を抑制し,血管平滑筋細胞の分化を抑制すること,骨芽細胞特異的な遺伝子発現を増強し,ミネラル蓄積を促進すること,Notchの活性化は骨芽細胞への分化に重要な遺伝子Msx2の発現を増加させることが明らかにした。RAGEシグナルとNotchシグナルが密接に相互作用することは世界に先駆けての発見であり,独創的な研究である。
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