2006 Fiscal Year Annual Research Report
リアノジン受容体安定化による慢性心不全の分子標的療法の確立
Project/Area Number |
18390234
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
矢野 雅文 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90294628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健 山口大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50363122)
池田 安宏 山口大学, 医学部, 助手 (00260349)
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Keywords | 筋小胞体 / カルシウム / リアノジン受容体 / 心不全 / 致死的不整脈 / 点突然変異 |
Research Abstract |
RyR2の特定領域(N-terminal, central)ドメイン連関はRyRチャネル開閉を制御し心機能を維持し不整脈をきたさないための重要な機序であり、先天的には突然変異、また後天的には過剰なbeta受容体刺激や酸化ストレスに起因するRyR2ドメイン連関障害は心不全や不整脈の発現につながることが申請者らの研究により明らかとなっている。 平成18年度に、申請者は、骨格筋型リアノジン受容体(RyR1)のregion2の点突然変異部位に対応するRyR2内のドメイン{抑制型ドメインペプチド:抑制型DP:domain unzip→zipに修復}がRyR2の安定化作用を有することを見出した。興味深いことにこの抑制型DPはJTV519と同様に不全心におけるCa2+漏出の抑制効果があり、しかも不全心筋細胞のcell shortening, Ca2+ transientをほぼ正常化した。このことは、RyR1/RyR2の点変異部位を含むドメインはチャネル安定化を維持する上で極めて重要な部位であるのみならず、RyR2内にチャネル安定化制御部位が内在されており、この部位は全く新しい心不全・致死的不整脈の治療ターゲットとなりうる可能性を示す。また、申請者らは、CPVT患者におけるRyR2のmutationをknock-inしたマウス(S2246L/+)を作成し、このマウスはCPVT患者と同様のbidirectional VTを発現し、その原因にCa^<2+> sparkとそれに伴うDelayed afterdepolarization (DAD)がtriggerとなることを見出している。これらの研究成果は、心不全やCPVTの発症メカニズムの解明とその根本的治療法の開発に貢献するものである。
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